【室内陸上の楽しみ方】~室内陸上を皮切りに、オリンピックイヤーがいよいよ本格始動! 室内陸上の見どころをチェック!~

フォート・キシモト

ワールドアスレティックス(世界陸連、WA)が主催する2024年WAインドアツアーが欧州を中心に世界各地で始まるなど、近年すっかり定着した室内陸上。国内でも2月3~4日大阪城ホールで、オリンピックイヤー最初の日本選手権となる第107回日本陸上競技選手権大会・室内競技(以下、日本選手権室内)が、2024日本室内陸上競技大阪大会(以下、日本室内大阪)と併催される。

また、今年最初の日本代表派遣大会となるテヘラン2024アジア室内陸上競技選手権大会(以下、テヘラン・アジア室内)も17~19日に開催される。こちらはWAワールドランキング規則において大会カテゴリーA(アジア競技大会やゴールデングランプリ陸上と同等)に該当しているため、WAランキングでターゲットナンバー(出場人数枠)内に入り、パリ五輪出場権を獲得するために重要な大会に位置づけられている。
世界各地で室内ビッグイベントが開催されるこの時期、今回は室内陸上競技の特徴と見どころをチェックしてみよう!

パリ五輪への記録に挑めるか!? 室内陸上の特徴と見どころ

まず室内陸上競技場は「完全に壁に囲まれ、かつ屋根で覆われていなければならない」と定義されているため、室内陸上は屋外に比べて、天候や風に左右されないことが特徴の一つとなる。
特に日本選手権室内におけるフィールド種目(走高跳、棒高跳、走幅跳、三段跳)の記録は屋外と同等の扱いになるため、安定した条件下で競技ができる室内陸上は、記録を狙うには絶好の機会となる。ハイシーズンではないものの、パリ五輪の参加標準記録を視野に入れる選手もいるだろう。
たとえば男子走高跳では、パリ五輪参加標準記録が2m33に対し、真野友博(九電工)の自己記録は2m31、衛藤昂(KDL)は2m30と、日本選手権室内にエントリーしている選手のなかに、標準記録に迫る自己記録を持つ選手がいる。
また、男子走幅跳でも参加標準記録(8m27)に対し、吉田弘道(神崎郡陸協)の自己記録が8m26、津波響樹(大塚製薬)は8m23と、標準記録を視界に捉える選手がエントリーしている。
仮に日本選手権室内で参加標準記録を突破し、第108回日本選手権優勝者(6月27~30日開催・新潟)となれば、パリ五輪代表が内定する。つまり室内陸上から、パリ五輪への道が開ける可能性もあるのだ。
ほかに室内陸上競技場の特徴として「トラック1周の長さは200mが望ましい」とされている点も屋外とは異なるところ。たとえば400mのレースであれば、2周走らなければならない。しかも屋外の400mトラックに比べてカーブがきつく、さらに傾斜(バンク)しているトラックもあり、そういったハード面の違いを選手それぞれがどう攻略するのかが、室内陸上の面白さの一つとなっている。

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また、60mや60mHといった屋外にはない距離の種目があることも特徴の一つ。日本選手権室内や、U20、U18、U16と区分がある日本室内大阪でも60mと60mHが実施される。
ちなみに男子60mの室内日本記録は6秒54、女子は7秒29。60mHは男子(106.7cm_9.14m)が7秒50、女子(83.8cm_8.5m)は8秒01となっている。室内日本記録の更新はもちろん、日本室内大阪での各年代の記録更新にも注目したい。
さらに現地で観戦をする場合は、60mなど短距離種目で走り終わった後に、勢いよくマットにぶつかるシーンなども室内陸上ならではの光景で面白い。日本選手権室内ならびに日本室内大阪は入場無料で観戦することができるので、ぜひ現地でそのスピード感や迫力を体感してもらいたい。

WAランキング制度と五輪代表への道

また、パリ五輪代表の選考条件に関わるWAランキング制度についてもチェックしてみよう。日本人選手が個人種目でパリ五輪に出場するためには、参加標準記録を突破するか、WAランキングでターゲットナンバー内に入ることが条件だ。
もともとWAランキング制度は、19年に当時の国際陸連(現在のWA)が東京五輪の参加資格要件とするために導入したもの。現在も五輪などの世界大会は、基本的に種目別に設定された参加標準記録の突破者と、WAランキング上位者(ターゲットナンバー内の選手)に出場資格が与えられることとなっている。
つまりパリ五輪においても、参加標準記録を突破できなかったとしても、WAランキングのターゲットナンバーに入り、日本人順位で3番手以内に入ることで出場資格を得ることができるのだ。
パリ五輪へ向けたランキングは、WAがRoad to Paris 2024として随時更新しているので、ぜひチェックしていただきたい。

このランキングは記録スコアと順位スコアを合算したパフォーマンススコアによって反映されるが、大会カテゴリーによって順位スコアが異なるため、選手はカテゴリーが上位の大会で好成績を収めることがランクアップのために重要となってくる。
たとえば五輪や世界選手権は最高ランクのカテゴリーOWで、優勝すれば順位スコアは375ポイント(※)が与えられる。
※トラック&フィールド種目のうち5000m、10000m、3000mSCを除いた種目の場合

ダイヤモンドリーグはカテゴリーGW、アジア選手権はカテゴリーGLとなり、テヘラン・アジア室内はカテゴリーA、日本選手権はカテゴリーB、織田記念や木南記念などはカテゴリーCに区分されている。
順位スコアはそうしたカテゴリーに応じて付与されるため、2月17~19日にテヘラン(イラン)で開催されるアジア室内は、日本選手権よりもランクが高いカテゴリーAに該当するので、ランクアップを狙う日本人選手にとって重要な大会となるわけだ。
ちなみにアジア室内は、優勝者に140ポイント、以下2位が120ポイント、3位は110ポイントと8位まで順位スコアが加算されることになっている。

現在のWAランキングをチェックすると、テヘラン・アジア室内に出場する選手のなかでは、男子は60mの多田修平(住友電工)、走高跳の赤松諒一(アワーズ)・瀬古優斗(滋賀陸協)、棒高跳の澤慎吾(きらぼし銀行)、走幅跳の鳥海勇斗(日本大学)、三段跳の池畠旭佳瑠(駿大AC)、七種競技の丸山優真(住友電工)が、女子では1500mの後藤夢(ユニクロ)、5000mの廣中璃梨佳(JP日本郵政G)・山本有真(積水化学)、三段跳の森本麻里子(内田建設AC)がすでにターゲットナンバーに入っている。男子走高跳については、日本選手権室内に出場予定の真野もターゲットナンバー内のため、すでに3人がパリ五輪出場の権利を持つ。
一方、女子400mの久保山晴菜(今村病院)や松本奈菜子(東邦銀行)はターゲットナンバー外で、パリ五輪の参加標準記録(50秒95)は日本記録(51秒75)を大きく上回っているため、五輪出場を懸けてターゲットナンバーに入るべくランクアップが必要ということになる。
こうした視点でアジア室内を観戦し、新たにターゲットナンバーに入る選手をチェックするのも楽しい。
>>こちらのニュースもチェック!【パリ五輪への道】WAランキングをチェックしよう!

https://www.jaaf.or.jp/news/article/19250/
日本選手権室内、アジア室内、そして3月の世界室内選手権(グラスゴー・イギリス)と室内イベントを経て、いよいよ本格的なトラック&フィールドシーズンが到来する。4月から始まる日本グランプリシリーズ、そして日本選手権で誰がパリ五輪の代表権を獲得するのか。
2024シーズンはパリ五輪(8月1~11日)やU20世界選手権(8月27~31日、リマ・ペルー)など世界各地でビッグイベントが開催される。今年もシーズンを通して陸上競技を楽しめる1年になりそうだ。
文:新甫條利子

第107回日本陸上競技選手権大会・室内競技
(2月3日~4日@大阪・大阪城ホール)

ライブ配信1日目:2月3日(土)

メインチャンネル 9:30~(予定)YouTube
トラック競技全種目・表彰

https://youtu.be/Y3Cw_6Ehkew

フィールドチャンネル 9:30~(予定)YouTube
フィールド競技全種目

https://youtu.be/iTcUI9xNMY4

ライブ配信2日目:2月4日(日)

メインチャンネル 9:30~(予定)YouTube
トラック競技・表彰、U20女子走幅跳、日本選手権女子走幅跳、日本選手権男子走高跳

https://youtu.be/nXNoeD3ukiY)

フィールドチャンネル 9:30~(予定)YouTube
日本選手権女子走高跳、U20男子棒高跳、U20男子走幅跳、日本選手権男子走幅跳、日本選手権男子棒高跳、U20男子三段跳、日本選手権男子三段跳

https://youtu.be/Cns4E1dM3cw

※配信時間は目安となります。

※応援TV・日本陸連公式チャンネル(https://ohen.tv/channel/)、日本陸連公式X(https://twitter.com/jaaf_official)でも予定しています。

テヘラン2024アジア室内陸上競技選手権大会
(2月17日~19日@イラン・テヘラン)

【日本代表オフィシャルサイト】

https://www.jaaf.or.jp/teamjapan/
【大会ページ】

https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1840/
【日本代表選手】

日本代表選手が決定!~世陸入賞の廣中・赤松をはじめ、17名が冬のアジアへ挑む~
https://www.jaaf.or.jp/news/article/19309/

フォート・キシモト

能登半島地震復興支援 チャリティーオークション

>>詳細はこちら

https://www.jaaf.or.jp/news/article/19415/

日本陸上競技連盟アスリート委員会は、バリュエンスジャパン株式会社と連携し、能登半島地震復興支援のためのチャリティーオークションを開催いたします。
このオークションの収益は、日本赤十字社などを通じて被災地の救援に役立てていただく予定です。
毎年4月に日本陸上競技選手権大会・35km競歩を開催している石川県輪島市をはじめ、被災地の皆様が安心して過ごせる日々が一日も早く戻りますよう、お祈り申し上げます。

能登半島地震による被災地・被災者への義援金の募集について

>>詳細はこちら

https://www.jaaf.or.jp/news/article/19421/

日本陸上競技連盟では、陸上界として被災地および被災された方々の支援、災害対応や復興のお役に立てるよう、義援金を募集します。
皆様からお寄せいただきました義援金は、日本赤十字社に「令和6年能登半島地震災害義援金」として寄付します。
>>義援金の募集について

https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202401/23_145645.pdf

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