■世界は、インフレの恐怖を忘れてしまった――!
元米国財務長官ローレンス・サマーズ、元イングランド銀行総裁マーヴィン・キング激賞!
インフレーション(インフレ、物価上昇)が数十年にわたる冬眠から目を覚ましたのは、2021年のことでした。当初は一過性の現象と見られていた物価上昇は、収まるどころかいっそうの加速を見せ、インフレ再来への危機感が日増しに高まっています。そのようななか、欧州最大の銀行HSBCの上級経済顧問によるインフレ解説書の決定版的1冊が注目を集めています。
本書では、古代ローマから2000年にわたる物価の歴史と対策を振り返り、「どんなときにインフレが起こるのか?」「なぜインフレが問題なのか?」「政府がしなければいけないことは?」を明らかにしていく一方で、パンデミック後のインフレへの解決策も提案しています。また、今がインフレかどうかを判断する4つの検証基準や、有効なインフレ対策の条件なども明確に提示しています。インフレの仕組みを正しく理解するだけではなく、未来へ向けた対抗策を考えられるようになる、デフレしか経験していない現代人にとって必読の1冊です。
(本文より)
「インフレはいわば、一部の人たちから資産をむしり取り、残りの人たちに配分する、気まぐれで不公平なメカニズムなのだ。特に大打撃をこうむりやすいのは、限られた現金しか持たない人々、つまり貧困層や年金受給者たちだ。(中略)一方、政府、住宅購入者、一部の企業など、借り入れの多い人々や組織は最終的に勝ち組に回るかもしれない。」
■『僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない』
著者:スティーヴン・D・キング
訳者:千葉敏生
定価:1980円(税込)
発売日:2024年3月6日
発行:ダイヤモンド社
判型:46判・並製・320頁
https://www.amazon.co.jp/dp/4478118639
■目次
はじめに 50年ぶりにインフレがやってくる
第1章 インフレが冬眠から目覚める
「インフレ」とは、お金の価値が失われていくこと/国民の富を「密かに」没収する凶悪な手法とは/政府によるインフレの容認は、絶望の始まり ……など
第2章 インフレは、「予期せぬとき」にやってくる
インフレの原因は2つに要約できる/お金への信用が失われると、何が起こるのか/「よいデフレ」さえも潰してきた中央銀行家たち ……など
第3章 政府は常にインフレの誘惑に負ける
高インフレと共存しようとしたブラジルの末路/中央銀行の独立性は、1国を除いて「絵空事」である/インフレ期にMMT信者が決まって主張すること ……など
第4章 インフレは「勝ち組」と「負け組」を生む
ドイツのハイパーインフレで富んだ人・損した人/高インフレ下では、賃上げ交渉は「無法地帯」になる/インフレは弱者を虐げ、格差を拡大させる ……など
第5章 何がインフレ対策の成功と失敗を分けるのか
政府がインフレ対策を「先延ばし」したがる訳/インフレ解消の「ツケ」は誰も払いたくない/「賃金物価統制」は昔から効果薄だった ……など
第6章 結局、今はインフレなのか
「インフレ目標」には根本的な問題がある/インフレが深刻かどうかを判別する4つの検証基準/グローバル化経済の終わりの始まり ……など
第7章 インフレ14カ条と次のステップ
歴史に基づくインフレ14カ条/インフレ下で資産を守るための6つの格言/「インフレの英雄」による教訓が忘れられている ……など
■著者プロフィール:スティーヴン・D・キング(Stephen D. King)
イギリスの経済学者、作家、HSBC上級経済顧問。『ロンドン・イブニング・スタンダード』紙で定期的にコラムを執筆しているほか、世界中の新聞や雑誌に寄稿し、テレビやラジオの出演歴多数。イギリス下院財務委員会の特別顧問を務める。国立経済社会研究所の経営評議会のメンバーであり、ヘンダーソン・ユーロトラストの取締役を務めている。著書にGrave New World (未邦訳、フィナンシャル・タイムズ・マッキンゼー「ビジネスブック・オブ・ザ・イヤー2017」ノミネート)など。
■訳者プロフィール:千葉敏生(ちば・としお)
翻訳家。訳書にタレブ『反脆弱性』(ダイヤモンド社、2017)、ホワイト『キッチンの悪魔』(みすず書房、2019)、バーネット&エヴァンス『スタンフォード式人生デザイン講座 仕事篇』(早川書房、2022)、ミラー『半導体戦争』(ダイヤモンド社、2023)ほか。
※リリース内の画像・写真は、本書籍に関わる報道を目的とした使用に限ります