■入居金3億円超え。超富裕層の「終の棲家」は桃源郷か、姥捨て山か。
これまで、「老人ホーム」といえば、本人の意向に反して家族に無理やり入居を勧められるというイメージが一般的でした。しかし、近年話題になっている高級老人ホームは、入居金が1億円を超えることも珍しくなく、財界の大物や元政治家、大御所タレントなど、一部の超富裕層が至れり尽くせりの生活を享受しています。
テレビや雑誌、新聞で紹介されるこれらの施設では、豪華な施設と優雅な暮らし、手厚いサービスが強調され、視聴者や読者に満たされた幸福感を印象付けます。しかし、それは高級老人ホームの本当の姿なのでしょうか。夢のような高齢者の桃源郷は本当に存在するのでしょうか。
「超高級」と呼ばれる老人ホームは、分厚いベールに包まれており、その実態を垣間見る機会はほとんどありません。そこで本書では、元『週刊文春』エース記者の著者が超富裕層向け高級老人ホームへの徹底取材を日本で初めて行いました。正式に取材を申し込むだけでなく、身分を隠しての潜入取材や、実際に職員として働くといった体験を通して、これまでに見えてこなかった超高級老人ホームの実態に迫りました。
そうした取材から見えてきたものとはいったい何か。超高級老人ホームとはどのような場所で、どんな人々が暮らしているのか。本書では、超高級老人ホームの実態、そして億万長者たちの最期の暮らしを明らかにしていきます。
選ばれし者だけの「終の棲家」である超高級老人ホームの真実を暴くとともに、幸せな老後とは何かを読者に問いかける、今年一番の問題作です。
■CONTENTS(一部抜粋)
第一章 選ばれた者だけの「終の棲家」、超高級老人ホーム
入居一時金4億円超えの仰天価格
高額な部屋ほど争奪戦に
“帝王学”を学ぶスタッフたち
第二章 「入居者カースト」でマウンティングし合う高齢者たち
施設スタッフを電話で呼びつけ……
健康マウンティングが始まる
男をたてる女たち
第三章 「死に場所」さえステータス化する富裕層の執着
施設スタッフと結婚した“やり手”入居者
先立たれた者同士の純愛
入居のきっかけは“将来への不安”
第四章 老人は二度死ぬ。悪徳施設への潜入取材
現役スタッフからの告発
調味料はカビだらけ
搾取される職員たち
第五章 桃源郷は夢のまた夢。「世俗」に還る人々
働きながら入居権をキープ
麻生太郎元首相の訪問も
遺産目的の連れ去り事件
■『ルポ 超高級老人ホーム』
著者:甚野博則
定価:1,760円(税込)
発売日:2024年8月7日
発行:ダイヤモンド社
判型:四六判・並製・1C・256頁
https://www.amazon.co.jp/dp/4478119244/
■著者プロフィール:甚野博則(じんの・ひろのり)
1973年生まれ。大学卒業後、大手電機メーカーや出版社などを経て2006年から『週刊文春』記者に。2017年の「『甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した』実名告発」などの記事で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」のスクープ賞を2度受賞。現在はフリーランスのノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌などで社会ニュースやルポルタージュなどの記事を執筆。近著に『実録ルポ 介護の裏』(文藝春秋)がある。
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