~源氏物語にも登場する練香や香枕などで香りに包まれて過ごす「静謐(せいひつ)の薫物(たきもの)滞在」~
各施設が独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」。京都府・嵐山にある全室リバービューの旅館「星のや京都」は、2024年12月15日〜2025年3月15日の期間、冬の凛とした空気と静けさの中、平安時代の香文化に触れる「静謐の薫物滞在」を提供します。滞在の始まりには、静寂に包まれた冬の客室にて練香作りを楽しみます。就寝前は、調合した練香の香りを手紙や衣服に焚きしめ、香りに包まれながら過ごす時間です。翌日は、星のや京都専用の屋形舟「翡翠」で、練香を空間に焚きしめながら、舟遊びに興じます。喧騒から離れた冬の奥嵐山で、平安時代の香文化に触れながら心身ともにリフレッシュできる滞在プログラムです。
【背景】
星のや京都が位置する奥嵐山は、平安貴族が四季の渓谷の風景を愛でながら過ごした風光明媚な場所です。冬には水墨画のような風景かつ凛とした空気に包まれます。川のせせらぎや動物の鳴き声、鳥が水面を羽ばたく音など、自然の音が響き渡る静寂の空間です。喧騒から離れた環境で、平安貴族も愛でた繊細な香りを楽しみ、リフレッシュしてもらいたいと考えています。
特徴1 平安時代から続く練香作りに没頭する
本プログラムの始めに、京都の老舗香木店・山田松香木店があつらえた本格的な香原料を使った練香作りを行います。練香とは、粉末状の香原料を蜜や梅肉を使って丸く練り合わせたお香です。平安時代、貴族にとって練香は教養や財力を表現するものであり、より優れた薫物を求めて自ら調合を行っていました(*1)。源氏物語にも貴人が各々の知識を使って練香を調合し、作った練香の優劣を競いあう様子が描かれています(*2)。本プログラムで作成するのは、「六種(むくさ)の薫物(*3)」として知られる梅花(ばいか)、源氏物語にも登場する黒方(くろぼう)の2種類の練香です。山田松香木店から指導を受けた星のや京都のスタッフがレシピをもとに調合をサポートします。かつての平安貴族にならい、香りづくりに没頭できる体験です。
*1 三井正昭「香道のすすめ」
*2 源氏物語第32帖「梅枝」に六条院で調合した練香の良し悪しを競う様子が描かれている
*3 平安貴族の間で普及した薫物(練香)は、やがて6種の大きな主題に分類された。黒方・梅花・荷葉・菊花・落葉・侍従の6種
特徴2 香りを手紙や衣服に焚きしめて過ごす
夕食後は自分で調合した練香を手紙や衣服、髪にうつし、香りを身にまといながら過ごします。平安貴族にとって香りは自分を表す役割を果たしていました。そのため、恋文に自身の香りをつけて相手に送ったり、好みの香りを衣服や髪に焚きしめたりしていました。本プログラムでは、平安時代にも着物に香りをうつす道具として使われていた伏籠(ふせご)(*4)を使って手紙や衣服に香りをまとわせます。就寝時には香枕(*5)を枕元におき、香りで癒されながら、眠りにつきます。
*4 香炉や火鉢の上に逆さに伏せておく籠(かご)のこと
*5 香炉を中に入れられる枕のこと。平安時代の女性が髪に香りを染みこませるために使用した。
特徴3 香りに包まれながら興じる舟遊び
翌朝は星のや京都専用の屋形舟「翡翠」で、前日に調合した練香を舟の中に漂わせながら、冬の渓谷の凛とした景色を眺めて過ごします。星のや京都の目の前を流れる大堰川(おおいがわ)は、平安貴族が四季の渓谷の風景を眺めながら舟遊びを楽しんでいた場所です(*6)。舟の上では平安貴族が各々の練香を披露し、優劣を競い合って楽しんだ「薫物合わせ(*7)」にならい、前日に調合した2種類の練香を空薫(そらだき)(*8)し、ほのかな香りの違いを楽しみます。平安貴族が愛した嵐山の風景や香文化に思いを巡らせながらの舟遊びです。
*6 歴史物語『大鏡』「三舟の才」
*7 種々の練り香を持ち寄り、それをたいて優劣を争う平安時代の宮廷遊戯『デジタル大辞泉』
*8 香木・練香・印香などの香りを空間に広げる方法
滞在スケジュール例
<1日目>
15:00 チェックイン
16:00 スタッフ指導のもと練香作りを行う
18:00 夕食で冬の食材を堪能する(別料金)
20:30 香りを手紙や衣服に焚きしめて過ごす
23:00 香りをまといながら就寝
<2日目>
8:30 客室から見える水墨画のような景色と共に朝食を楽しむ(別料金)
10:30 香りに包まれながら舟遊び
12:00 チェックアウト
「静謐の薫物滞在」概要
期間:2024年12月15日~2025年3月15日
時間:1泊2日
料金:1組60,500円(税・サービス料込、宿泊料別)
含まれるもの:練香作り、屋形舟「翡翠」の貸し切り
定員:1組1名~2名
予約 : 公式サイト( https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyakyoto/ )にて7日前まで受付
場所:星のや京都
対象:宿泊者
備考:荒天の場合、屋形舟の運航が中止になる可能性があります
■星のや
「その瞬間の特等席へ。」をコンセプトに、各施設が独創的なテーマで、圧倒的非日常を
提供する「星のや」。国内外に展開する各施設では、その地の風土、歴史、文化をおもて
なしに繊細に織り込み、出合った季節にしか味わえない最高の瞬間を体験していただくこ
とで、訪れた人を日々の時間の流れから解き放つ。
URL:https://hoshinoresorts.com/ja/brands/hoshinoya/
平安貴族が興じた嵐山にたたずむ水辺の私邸で時を忘れる。渡月橋から船に乗り、大堰川を遡った先では、京都に息づく日本の伝統技法を感じる客室、嵐山の情景を映した滋味豊かな日本料理、四季の美しい景観と静けさの非日常が提供されます。
所在地:〒616-0007 京都府京都市⻄京区嵐山元録山町11-2
電話:050-3134-8091(星のや総合予約)
客室数:25室・チェックイン:15:00〜/チェックアウト:〜12:00
料金 :1泊 136,000円〜(1室あたり、税・サービス料込、食事別)
アクセス:阪急嵐山駅より徒歩約10分、京都南ICより車で約30分