文芸の世界で最も注目を集める作家が挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集
いま、文芸の世界で最も注目を集める芥川賞候補作家・向坂くじらさん。彼女が挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集『ことぱの観察』が12月25日にNHK出版より発売になります。各書店、オンライン書店にて現在予約受付中です。
文芸の世界でいま最注目の作家が挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集
わたしにはなにより、他人のことがよくわからない。「やさしさ」、「さびしさ」、「好きになる」――。日常で何気なく使っている言葉で私たちは、他人と「本当に」分かり合えているのでしょうか。本書は気鋭の作家・向坂くじらさんが、一つ一つの言葉が持つあいまいさや脆さを鋭く見抜き、記憶や経験、痛みや喜びの「手ざわり」からその意味を結び直す。他人(相手)と、自分自身や、そのあいだにある関係を観察した日々の、試行錯誤の記録です。
各篇の終わりには、向坂さんによる単語と同じ題名の書き下ろしの詩も収載しています。
『ことぱの観察』内容
まえがき
友だち丨遊びと定義丨敬意と侮り丨やさしさ丨確認丨忘れる丨くさみ丨好きになる丨恋( 前編)丨恋( 後編)丨ときめき丨性欲丨つきあう丨愛する丨友だち( 訂正)丨めまいと怒り丨さびしさ丨寝る丨飲むとわかる丨乗る丨観察
あとがき
ある言葉があって、同じ言葉を使う他人がいる。しかし、お互いにほかの文脈を持ってい
て、ほかの意味を考えている。だから会話が食いちがい、ときに関係がうまくいかなくなる
のだ。定義をしながら、そしてその不完全さを思いながら、いつも感じてきたことがある。
言葉がわたしの中である意味をむすぶとき、そこにはわたしの記憶や、経験や、痛みや喜び
の手ざわりが、どうしようもなくまとわりつく。そしてきっと、他人の使う言葉には、彼ら
の記憶や、経験や、手ざわりが、同じようにまとわりついている。一方ではそういうものを
排した純粋な言葉というものに心惹かれていながらもう一方では、そういうものがなくなっ
てしまったなら、それは果たして言葉だろうか、と思う。わたしたちが食いちがう言葉で語
るとき本当に交換したいのは、言葉にまとわりついた、そういう形のないものなのではなか
ろうか。――「観察」より
サイン本の販売決定!
『ことぱの観察』発売を記念して、向坂くじらさんに「直筆サイン本」を作成いただきます。
※12月25日(水)以降、各書店さまに搬入され次第の発売となります。
※サイン本は数に限りがございます。なくなり次第終了となります。
※詳細は各書店さまのSNSなどをご確認いただくか、店舗へお問い合わせください。
著者紹介
向坂くじら(さきさか・くじら)
1994 年、愛知県名古屋市生まれ。2016 年、Gt.クマガイユウヤとのポエトリーリーディング×エレキギターユニツト「Anti-Trench」を結成、ライブを中心に活動をおこなう。主な著書に詩集『とても小さな理解のための』、エッセイ『夫婦間における愛の適温』『犬ではないと言われた犬』(百万年書房)など。2024 年、初小説『いなくなくならなくならないで』(河出書房新社)が第171 回芥川龍之介賞候補となる。執筆活動に加え、小学生から高校生までを対象とした私塾「国語教室ことぱ舎」の運営をおこなう。
商品情報
『ことぱの観察』
著者:向坂くじら
出版社:NHK出版
定価:1,980円(税込)
発売日:2024年12月25日
判型:四六判並製
ページ数:272ページ
ISBN:978-4-14-005754-4
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NHK出版ECサイト→https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000057542024.html※12月25日公開予定
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