『らない時代の指導術 主体性を伸ばすスポーツ現場の実践』が8月8日発売


三笘薫、河村勇輝らを支えたコーチ18人を徹底取材! 命令、罰則、ハラスメントは過去のもの。人材育成に悩むすべての人に贈る提言。


スポーツと教育に精通したジャーナリスト・島沢優子氏が、三笘薫、河村勇輝、北口榛花ら若くして世界で活躍するアスリートを育てたコーチ18人の人材育成術に迫る『らない時代の指導術 主体性を伸ばすスポーツ現場の実践』が、8月8日、NHK出版から発売になります。


「対等な関係性」をいかにつくるか? 「頑張れ!」「やる気出せ」では人は動かない──

指示がなくとも自ら動き、成長し続ける力はどうすれば育めるのか。ヒントは「る指導」からの転換が急がれるスポーツ育成の最前線にあった。ドラフト選手を次々輩出する無名校の「環境整備」の秘訣、五輪金メダルを生んだ「問いかけ」の心理的効用。「消えた天才」を生まないためのスポーツ現場の取り組みには、子育てからビジネスまであらゆる指導に応用できる目からうろこのスキルが詰まっていた!

NHK出版デジタルマガジンにて、本書「はじめに」を公開

■目次

まえがき──「消えた天才」は「消された天才」

第1章 雪国の無名校はなぜドラフトに一学年6人も送り出せたのか──「やる気が出る」環境をつくる

  優勝したいなら休め

  個を伸ばすことが最優先

  プロの夢破れて監督へ

  自分の経験を捨てる

  選手育成2つの鍵

  スタートはサッカー部副顧問──推薦ゼロで躍進遂げた大学野球の異能

 「半端ない」大迫勇也の母校へ出稽古

  スポーツ推薦入学者をゼロにするわけ

  三塁ランナーコーチが実業団入り第1号

  文武両道の優位性

 「成長率日本一」を目指して

  全国優勝校で監督になった23歳の葛藤──日本代表を送り出す高校バスケ界の雄

  指導のターニングポイント

 「なにくそ」の効果が期待できない理由

  落ちこぼれをつくらない仕掛け

 「コーチ志望」のスーパー高校生

  指導スキルの取説:行動分析学の現場から──「やる気出せ」は根性論

第2章 控え選手だった三笘薫はなぜ焦燥につぶされなかったのか──「対等な関係性」が人を伸ばす

  三笘薫を起用しなかった監督

  19歳の三笘が記した「なりたい自分」

  シートににじむ本気

  自分を更新し続ける力

  カリスマ的リーダーが評価されるなかで

  対等な関係性が熱を生み出す

  上手いやつ≠偉いやつ

 「選手に任せると評価されない」ジレンマ

 「コーチはなんでそんなに偉そうなの?」──Jクラブが割拠する激戦区を制した街クラブ

  自立させると意欲的になる

  保護者も魅了する大豆戸の指導

  教えたくなる欲求にブレーキをかける──北口榛花の才能をつぶさなかったコーチ

  育成コーチの価値とは

  朝練をパスした森井翔太郎──メジャー挑戦を支えた偏差値71 の進学校

  才能が指導者を謙虚にさせる

  日米野球から見えた問題点──球児に「監督」と呼ばせない指揮官

  スローガンは「子どもに野球を返す」

  指導スキルの取説:スポーツ心理学の現場から──「コーチアビリティ」の重要性

第3章 不安に怯えていた柔道選手はなぜ五輪を連覇できたのか──「傾聴と問いかけるスキル」が成果を生む

 「6割しか力を出せなかった」永瀬貴規

  不安対応時の思考「防衛的悲観主義」

  問いかけては傾聴する

  答えない永瀬に鍛えられた「行間を読む力」

  元王者ではないからこそ選手の話を聴く

 「サッカーで不幸になる子どもを減らしたい」──ジーコに見出された男の哲学

  お母さんにもわかる戦術説明

  答えを持たずに問いかける

  指導力は「質問力」

  大人の論理は通用しない──錦織圭を育てたコーチの思考力

  すべての声かけに意図を込める

  指導スキルの取説:メンタルコーチングの現場から──こころを翻訳する

第4章 河村勇輝はなぜミニバスからNBAまで成長し続けるのか──「好きのマインド」が伸びしろへ

  河村を育てた「主体的学び」

 「なぜ追いかけないんだ!」

 「好き」が成長を加速させる

  勝つための野球からの転換──筒香嘉智、森友哉を育てた中学生クラブの挑戦

  勝利最優先は子どもを壊す

  半年は黙って見守れ

  指導転換の効果とジレンマ

  高校球児が望む育成環境とは

 「選手の可能性を妨げないでほしい」

  ノーサイン野球で旋風──少年野球の頂点で知った後悔と希望

  カリスマが明かした黒歴史

  子どもも親も指導者も「楽しく」

  指導スキルの取説:自己決定を導く「好き」の効力

第5章 6万人を教えた「少年サッカーの神様」はいかにスポーツを変えたか──「主体性の支援」こそ本当の厳しさ

  日本一厳しいコーチ

 「こんなチームやめてやる」子どもに去られた日

  最先端の指導を確立できた3つのルーツ

 「主体性」と「自分勝手」の違い

  子どもの気づきを待つ余裕を持とう

  答えは子どものなかにある──「怒らないミニバス大会」の主催者

  女性コーチが少ない日本──ハンドボールに初の女性強化本部長誕生

  女性指導者が増えない理由

  進まない女性進出の背景

  コートは「噓をつけない場所」──生徒に謝罪会見した高校バレーの監督

  どれだけ楽しめるかが勝負

 「関係性と練習計画」2つの指導改革

  スポーツは人格を照らし出す

  指導スキルの取説:主体性のメリットとデメリット/主体的にやれと命じた時点で主体的ではない/発達段階に応じた指導が鍵

あとがき──指導を転換したコーチは子どもと社会を変える

著者 島沢優子(しまざわ・ゆうこ)

スポーツジャーナリスト。筑波大学卒業後、日刊スポーツ新聞社東京本社に勤務し、1998年よりフリー。スポーツと教育の現場を長く取材する。著書に『オシムの遺産(レガシー) 彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)、『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)、『部活

があぶない』(講談社現代新書)など。

■商品情報

NHK出版新書748『らない時代の指導術

主体性を伸ばすスポーツ現場の実践』

島沢優子 著

2025年8月8日発売

ISBN:978-4-14-088748-6

定価1,023円(税込)新書判 224ページ

ECサイト:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000887482025.html

Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4140887486



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