「生存のためのスイッチ」が脂肪を増やす!? スイッチを切り適正な体重を維持すれば、糖尿病、がん、ADHD、双極性障害、アルツハイマー等さまざまな疾病リスクを低減できる。驚きの最新研究!
人間が太るのは、効率的に脂肪を生成し、その燃焼量を減少させる生物学的変化――「サバイバル・スイッチ」がオンの状態であること――が主な原因だった! そのスイッチをオフの状態に切り替えれば、太るのを防ぎ、体重を減らし、その状態を維持できると説く、肥満の予防と治療にまったく新しい観点から挑む一冊。序文はベストセラー『「いつものパン」があなたを殺す』で知られるデイヴィッド・パールマター博士が寄稿。
【目次】
序文
はじめに 流行病の誕生
第Ⅰ部 自然はなぜ私たちを太らせたがるのか
第一章 脂肪の力
第二章 太っていることが体にいい秘密の理由
第三章 サバイバル・スイッチ
第四章 私たちはなぜ太りはじめたのか
第五章 不愉快な驚き――果糖だけではないのだ
第Ⅱ部 肥満スイッチと病気の関係
第六章 人類の基本的食生活にまつわる病気
第七章 サバイバル・スイッチは、私たちの心と行動にどう影響を与えるか
第Ⅲ部 自然を出し抜く
第八章 食生活に含まれる糖を知る
第九章 肥満スイッチをブロックする最適な食事法
第十章 体重を元に戻し、健康寿命を延ばす
【本書「はじめに 流行病の誕生」より】
本書は、肥満とそれに関連する糖尿病、心臓病、高血圧などの疾患がなぜ発症するのかという根本的な疑問に答えるために、私と多くの共同研究者たちが辿ってきた型破りなアプローチを紹介するものである。研究の過程で、私たちは動物が生き延びるために活用する生物学的プロセスを同定した。私たちはこれを〝サバイバル・スイッチ〟と呼ぶことにした。現代人の多くもこのスイッチをオンにするだけでなく、始終オンにし続けている。その結果もたらされるのが肥満だ。つまり、かつては私たちを守るためのサバイバル・スイッチであったものが、今では肥満を引き起こす脂肪スイッチになってしまったのである。
このスイッチがどのように働くのか、何がスイッチをオンにするのか、そして最もワクワクすることに、スイッチをオフにする方法について、さらに多くのことがわかってきた。本書の中でこれらの新しいアプローチについてお伝えできることを嬉しく思う。
※一部編集を加えて抜粋しました
【著者】
リチャード・J・ジョンソン(Richard J. Johnson)
コロラド大学医学部の教授、臨床医、教育者、研究者。
内科、感染症、腎臓病の専門医資格を持ち、腎臓病に関する主要な教科書の一つであるComprehensive Clinical Nephrologyの創刊編集者。国立衛生研究所からの助成を受け、20年以上にわたって肥満と糖尿病の原因に関する研究を主導。主に砂糖(特に果糖)と尿酸の役割に関心を寄せている。
【商品情報】
『肥満の科学 ヒトはなぜ太るのか』
リチャード・J・ジョンソン[著] 中里京子[訳]
2024年8月30日発売
ISBN978-4-14-081971-5
定価2,530円(税込)四六判並製 384ページ
ECサイト:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000819712024.html