9bic ライブレポート「Next Story Debut Live」


「現在を生きる王子様達」をコンセプトに掲げるメンズアイドル9bicが、7月27日(土)に『9bic Next Story Debut Live』を豊洲PITにて開催しました。

ぴあ株式会社は本ライブの制作を担当。下記、ライブレポートをお届けします。


5月26日(日)に行われた『9bic 5th Anniversary Live ~現在を生きる王子様たちの物語~』で第1章の幕を下ろし、6月1日(土)から新体制で走りだした彼らにとって、今回の公演は記念すべき1stライブ。『9bic Next Story Audition』により総応募数1,197名の中から選ばれた新メンバー5人とオリジナルメンバーの椚三波斗(くぬぎ・みなと/緑担当)で、華々しく新たな物語を封切った。

開演時間になるとベルの音が鳴り、一気にライブの世界へ。アナウンスが「人々に安寧をもたらす運命(さだめ)に導かれし者たちが約束の大地に集う。今、そんな彼らの物語が再び動きだす」と告げると、「YELL」衣装に身を包んだメンバーがステージに姿を現した。

登場するやいなや、「みなさん、最後まで楽しんでいきましょう!」と焚きつける三波斗。メンバーが変わっても、盛り上げ隊長なのは変わらない。自身の緊張を吹き飛ばすように、グループの士気をさらにあげるように、会場へ呼びかける。オープニングを飾ったのは、新体制で初リリースとなった「YELL」だ。矢野旺士朗(やの・おうしろう/黄色担当)がキラキラスマイルを炸裂させたかと思えば、佐々木大河(ささき・たいが/ピンク担当)はキュートな猫ポーズで魅了。ステージに立つ6人は、どこか緊張を感じさせるものの、それぞれの思うアイドルを精一杯に開花させている。曲終わりには銀テープも噴射され、ここから怒涛のパフォーマンスが繰り広げられていくことを予感させた。

「Hero」のイントロが流れると、フロアからは歓声が。そればかりか、メンバーと一緒にサイリウムが揺れ、クラップも抜群のタイミングで鳴り響く。オーディエンスのモーションひとつひとつは、「新体制になっても付いていくよ」と言葉なく語っているよう。

9bicの未来を一緒に追いかける立方隊(9bicのファン呼称)がいると、会場の光景は力強く描いていた。「中辛エクスタシー」ではパンダとドラゴンの着ぐるみが登場し、メンバーの後ろでワチャワチャ。6人もじゃれ合うように、和気あいあいとステージングを展開していく。

自己紹介をするMCに続いて投下されたのは、「9bic melody 1st(新体制)」。花道を通ってセンターステージへ移動した9bicが、クルクルと回転しながら各々を紹介する歌詞をキャッチーに歌い上げる。西山海斗(にしやま・かいと/オレンジ担当)が「俺についてこい!」と男らしい一面を覗かせたと思えば、和泉颯人(いずみ・はやと/青担当)は透き通った歌声を伸びやかに届ける。曲中ではメンバーの顔つきプラカードも掲げられ、それぞれのキャラクターを鮮明に印象付けた。

「proof」が投入される頃には、すっかり6人の緊張も解けた様子。声量がググッとあがり、一挙手一投足に個々のアイデンティティが乗る場面も増えてきた。カメラに抜かれた黒澤胤也(くりさわ・かずや/赤担当)は、踊りながらニコッとはにかみ、オーディエンスを悩殺。そんな笑顔にクラクラさせられたのもつかの間、ステージ上のブロックがくるっとひっくり返り「そんなの好きになっちゃうじゃん。」の文字が出現すると、さらなる歓声が沸き起こった。

あざとさ満載の胸キュンソングの威力は、新メンバーになっても絶大だ。“そんなの好きになっちゃうじゃん”と大河が色っぽく呟く一方で、センチメンタルに聴かせる颯人。これまでの楽曲の良さを大事するだけでなく、自分たちならではのアプローチを見出そうとした証が歌いかたに宿っていた。

照明が落ちて転換するのかと思えば、舞台上には三波斗と海斗の姿が。ステージの右と左に分かれて、メリハリのついたクールなダンスを繰り広げる。彼らに導かれるように、他のメンバーも合流し、「creature」へ繋がれた。オリジナルメンバーに勝るとも劣らない色気を放ち、ポップで可愛いだけではない9bicを魅せつける。そのまま「secret love」になだれこみ、オラオラとした強気な表情を浮かべていた。

衣装チェンジの幕間では、体験型アクションのような演出が用いられた。スクリーンに映像を映し出すだけでなく、照明を使ったりスモークを焚いたり。メンバーが走っていくシーンに合わせてスピーカーも効果的に活用し、実際に客席の周りを走っているかのように演出。単に「映像を観る」だけで終わらない空間を実現し、現場に来ているからこそ味わえる経験を作り上げた。

そんなインタールードを挟み、いよいよライブは終盤戦。この日、初お披露目となった新衣装を纏った6人がステージに再登場。アイコンタクトを取りながら、楽しそうに「klaxon」をパフォーマンスし、ラストスパートをかけていく。「ジーニアスター」では立方体と一緒に踊って盛り上がり、「99%」ではキュルルンと可愛さを爆発。理想をギュッと濃縮したアイドルたる煌めきを遺憾なく放つ9bicのカラーは、第2章になっても健在だ。颯人がメンバーを「えらいえらい」と慰めるMCを経て、「今日も生きててえらいえらい」が投じられると、ついに愛嬌指数はカンスト。一糸乱れぬフォーメーション、カッコイイを追求したコンセプト、作りこまれたパフォーマンスに重きを置いたボーイズグループが多い現在のシーンにおいて、こんなに全身から愛嬌を発する彼らは極めて稀な存在といってもいいだろう。ラストを「love SPLASH」で結び、フレッシュなエネルギーでお披露目ライブを駆け抜けた。

アンコールで呼び戻された9人は、観客席の後ろから再び出現。「僕らのインペリアル」を歌いながら、通路を練り歩いていく。ひとりひとりに目を合わせて、手を振って、レスを送って。パフォーマンスに乗せながら、丁寧に愛を配っていった。

最後のMCでは、メンバーがひとりずつ今の想いを話していく。「僕から行かせていただきます」と、口火を切ったのは颯人だ。音楽の道を志した理由、9bicのオークションに応募した経緯、今日を迎えるにあたっての不安。自分のなかにある想いを零すように「このデビューライブは、関係者の方々、ファンのみなさん。そして、今まで9bicを築きあげてくれた先輩がいたからこそ、できているライブだと思います。僕の夢を叶えてくれてありがとうございます」と告白。とはいえ、しんみりと重くなるわけではなく、すぐにパッと仕切り直し「僕の夢は、まだ始まったばかりで。いつか武道館に立ちたいと思ってます」と告げ、未来への希望も輝かせた。

続く大河は「今日まで、いろいろ辛いことや不安なことたくさんあったんですけど、みなさんのコールとか視線をもらってるときに『アイドルっていいな』と思って、辛い気持ちとか全部吹き飛んで、楽しい気持ちだけでいられます」と笑顔を見せた。それぞれが胸中に秘めた想いを真摯に語るMCであったことは間違いないが、一段と涙を誘ったのはオリジナルメンバーである三波斗の言葉だろう。「僕、本当にライブが好きで。こうやってステージで歌ったり踊ったりするのが、本当に好きで。(中略)歌ったり煽ったり、みなさんの前に立っているときに、本当にアイドルでいてよかったなと思いました。人生、たくさんの選択があると思うんですけど、自分は絶対に後悔したくなくて。それが、こうやってライブをして、あの選択は間違ってなかったんだなって改めて思いました。(中略)こうやって9bicのファンでいてくれるみんなと、一緒に作ったグループと、今日歌った曲を残してよかったなって思いました」。そう語る言葉には淀みがなく、心から溢れたメッセージならではの真摯な重さが宿っていた。

その後、胤也は「僕たちは全員で毎日のようにお互いを支え合って、絶対に超えてみせるぞっていう思いで今日までたくさん頑張ってきました」と未来を見据え、旺士朗は「合格通知が来た時は、泣いて喜んで本当に1日何もできなかったくらい嬉しかったんです。でも、それよりも今日この日がすごく楽しくて。こうやってみんなが笑顔で僕たちを迎え入れてくれて、たくさん声を出してくれて、めちゃくちゃ嬉しかったです。ありがとうございます」と感謝を語る。トリとなった海斗は「武道館や東京ドームに立つことも夢なんですけど、最終目標は何かなって考えたときに、自分はずっとアイドルでいたいなって。ステージに立っていたいなって強く思ったので、僕はこのままずっとステージに立ち続ける、キラキラしたみんなに元気を与えられるようなアイドルでいたいと思います」と宣言。六者六様の想いを真っすぐに、手渡したのだった。

胤也が「これから先どんなことがあっても、この6人で乗り越えていきます」と覚悟を刻み、この日2度目となる「YELL!」をラストソングとしてドロップ。6色に煌めくライトは、これからの9bicの未来を明るく照らしているよう。“全部掴め!”で立方体を励ますだけでなく、自分たちのことも鼓舞し、晴れやかに『9bic Next Story Debut Live』をやり遂げたのだった。

9bicの第2章は、今まさに始まったばかり。磨き上げた歌声で、たくさんレッスンしたダンスで、苦しいときこそ笑顔で、これからもたくさんの人々に寄り添ってくれるだろう。新たな物語がどのようなエピソードになっていくのか、今から楽しみでならない。

=セットリスト=

M1. YELL!

M2. Hero

M3. 中辛エクスタシー

M4. 9bic melody 1st (新体制)

M5. proof

M6. そんなの好きになっちゃうじゃん。

M7. creature

M8. secret love

M9. klaxon

M10. ジーニアスター

M11. 99%

M12. 今日も生きててえらいえらい!

M13. love SPLASH

EN1.僕らのインペリアル

EN2.YELL!


【9bic Next Story Debut Live】

日時:2024年7月27日(土)

OPEN:15:15/START:16:00

場所:豊洲PIT

 

【9bic × WEGOコラボイベント】

全国を巡るLIVEツアー開催!

・全日程共通(予定)

START ミニライブ13:30~

8月13日(火) WEGO越谷レイクタウン店

8月25日(日) WEGOららぽーと門真店

9月1日(日)   WEGOららぽーと立川店

9月8日(日)   WEGOららぽーと愛 知東郷店

9月14日(土) WEGOららぽーと横浜店

 

写真:WAIWAI.inc提供


 

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