自然環境への負荷を最小限に抑えた最新モデルが完成
この度、株式会社ADX(本社:福島県二本松市/代表:安齋好太郎)は、セカンドホーム・サブスクリプションサービス「SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)」を提供する株式会社Sanu(本社:東京都中央区/代表:福島弦)と共に開発を進めてきた「SANU CABIN MOSS(モス)」を、2024年8月10(土)にグランドオープンいたします。
設計・施工においては当社が本年4月に発表したブランド「EARTH WALKER」のカスタムシリーズの仕組みを採用しており、同ブランドとして「MIRU AMAMI」に続く2つ目の竣工事例となります。
「SANU CABIN MOSS」は、日本の美しい海・山・湖へ繰り返し通うメンバーシップ制セカンドホームサービス「SANU 2nd Home」専用モデルです。2024年4月時点で全9拠点52室へと広がり、”自然の中のもう一つの家”として親しまれてきた「SANU CABIN BEE」。そのキャビンに宿泊いただいた方々からの声を反映しながら、この度、より進化した新型のキャビン「SANU CABIN MOSS」をオープンするに至りました。この「SANU CABIN MOSS」が存在することで、人と自然との接点を増やすことができ、また同時に森を豊かにできる仕組みを作っていくことを意識しています。「大自然で過ごすことの喜びを、人にも自然にも優しい建築を通して提供する」という想いを表現した、より自然の中へ入っていくための建築プロダクトが完成しました。
■ 自然を体感できる開放的な室内空間
「SANU CABIN MOSS」は、より自然との関係性が近くなる建築デザインを意識しています。バルコニーとエントランスを一体化。長さ約7mの大開口部によって、内と外の境界が曖昧となり、自然とシームレスに繋がれる空間が実現しました。また、開閉可能な天窓を二つ設けることで、空気の流れを作り出すとともに、室内空間に光が降り注ぐ構成に。室内の各機能を窓の外へと視線が導かれるように配置することで、滞在中に感じられる自然との一体感を高めています。
また、広々としたワークスペースや使いやすいキッチン・ダイニングなど、住まいとしての機能も充実。さらに、選択するフレームやユニットに応じて様々な形状へ可変できるため、立地条件やサウナ・デッキ等付帯サービスに応じた自由なデザインが可能に。楽しみ方も広がっていくようなキャビンが誕生しました。
室内面積:55.5㎡
ベランダ込み面積:67㎡
収容人数:最大4名(セミダブルベッド2台・シングルマットレス1台)
竣工棟数:14棟
■ 厳しい自然条件下でも2週間で建設可能な工法
杭基礎・フレームという現場施工のパートとユニットという工場施工のパートで成立する工法を採用。自然豊かな場所に建てるため、厳しい現場環境になることも多く、現場での施工期間を短くし、高品質を保ちながら施工者の安全も確保できることを目指しています。この工法は1棟をわずか2週間で完成させることを可能にし、現場施工の簡略化により足場を組む事もないため、木々の伐採も少なくなり自然環境への影響を最小限に抑えます。
また、主に日本の豊かな森の中に建てることを想定し、土壌や建設地の従来の雨や風の流れへの影響を低減するため、独自開発した高基礎杭工法を採用。土壌への影響を最小限に抑えるために特別に開発しました。杭を8本足にすることで杭径を細くし、木の根や水脈のダメージを最小限にし、森の成長を妨げない工夫を施しています。この基礎工法は小川を跨いだり微地形を残したり、その土地で長い時間をかけて作られた自然に寄り添うことができます。
■ 自然環境に寄り添った構造
「SANU CABIN MOSS」は、より自由に、より多様な自然立地への展開を計画しています。木の実から着想を得た構造デザインは、積雪4mの負荷にも耐久性を持ち、標高1,500m、気温-20°cにもなる豪雪地帯など厳しい自然環境下でも建設可能なプロダクトとして進化。より多様な自然の中での快適で安全な暮らしを支えます。
強風や大雨などに対する建物強度を向上させながら、同時に近植生の光や風を遮りにくく、流体力学に基づいて雨水や風を分散させることができる多面体構造を採用。土壌への負荷や周囲の生態系への影響を最小限に抑えました。また、国産材を100%使用し、国内需要の減少が課題視される銘木「北山杉」をはじめ各地より木材調達を行います。木質化率*を39%まで引き上げることで、森林大国である日本の森の恵みを活用し、森の循環と共生する建築を実現します。
*1棟の建築コストに占める木材の割合
株式会社Sanuからのプレスリリースはこちらです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000060549.html
【EARTH WALKER について】
EARTH WALKER(アース・ウォーカー)とは、株式会社ADXが4月に発表した新しい建築プラットフォーム。冒険家の精神を持つ人々が、勇ましい山々、巨大な氷河、多様な生命の宿る豊かな森などのような、まだ見ぬ未開の地において安全に滞在し、豊かな自然を楽しめるよう設計されています。
インフラが制限された過酷な自然環境でも快適に生活できる水準まで機能を高めた「サミットシリーズ」と、森や湖畔など、都市からアクセスしやすい自然の中で快適に暮らすための「カスタムシリーズ」で構成されます。
「カスタムシリーズ」は「サミットシリーズ」の意志を汲みながらも、より実現性と事業性を確保したシリーズとなり、今回の「SANU CABIN MOSS」もこのシリーズの1つとして設計・施工しました。高いメンテナンス性と施工の安全性を実現するとともに、国産材の活用を促す高い木質化率を追求している点が特徴的な建築ブラットフォームを活用しています。
ADX EARTH WALKER プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000077057.html
■ ADX代表 安齋好太郎よりコメント
2019年に「SANU CABIN」を発表し、これまでの2年間で約80棟のキャビンが人々の自然の中での暮らしを支えてきました。会員の皆さんの体験レビューやオペレーション面のフィードバック等のデータを元に建築の細かなアップデートし続けてきましたが、より良いセカンドホームを提案できる情報が蓄積したため、これまでの「SANU CABIN」を引き継ぐ形で新たな建築モデルの構想をスタートするに至りました。
今回、「1.自然に敬意を払うこと」「2.自然に寄り添うこと」「3.自然の一部になること」を大切にしながら、当社が蓄積してきたデザインとテクノロジーの力を集結させて新建築モデルの開発を行っています。より深い自然立地、場所によっては過酷な自然条件においても安全に施工が可能となるようプレファブリケーション工法を構築するなど、「未来という時間軸を見据えたもの作り」と真摯に向き合ってきました。
この建築が存在することで、人と自然とのタッチポイントを増やすことができ、また同時に森を豊かにできる仕組みを作っています。「大自然で過ごすことの喜びを、人にも自然にも優しい建築を通して提供する」という使命を持った、革新的な建築プロジェクトであると思っています。
■ 株式会社ADX 会社概要
安齋好太郎率いる建築チーム。「森と生きる。」をフィロソフィーとし、自然と共生する建築を最重視し、自然に戻しやすい素材だけを使う工夫や建材のトレーサビリティの設計、さらには建築が増えるほど森が豊かになっていくリジェネラティヴな環境再生型の事業展開を目指す。設計・施工・プロダクト開発・森林地域における開発行為や環境に配慮したものづくりのコンサルティング等を行い、近年の代表プロジェクトに「五浦の家」「One year project」「K5」「SANU 2nd Home」「KITOKI」などがある。
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