~資生堂ギャラリー展覧会関連企画~ 十文字美信×伊藤俊治 クロストーク 静寂を叩くー日本の美と場を巡って



8月27日(火)より、資生堂ギャラリーで開催する「空想の宙(そら) 『静寂を叩く』 大乗寺十三室|十文字美信」展の関連企画として、日本における写真評論の第一人者であり美術史家の伊藤俊治氏をお招きし、十文字美信氏とのクロストーク「静寂を叩くー日本の美と場を巡って」を9月7日(土)、資生堂花椿ホール(東京都中央区)で開催します。

写真家・十文字美信氏は、古くからの日本の伝統文化に向き合い、そこに底流する普遍的な価値をとらえようと試みてきました。写真を通じて自身の経験や記憶を掘り下げ、独自の思考をめぐらせながら、時を超える「日本の美」を表現し続けています。 

本展覧会に登場する大乗寺客殿(兵庫県美方郡香住町)は、江戸時代に活躍した絵師・円山応挙とその一門による数多くの障壁画が残されていることから、別名「応挙寺」と呼ばれています。客殿の障壁画は計算しつくされた配置により、立体的な曼荼羅を構成しているとも言われており、応挙は絵画の芸術的評価に加えて空間プロデューサーとしての側面も注目されています。

    孔雀の間 円山応挙 (撮影:十文字美信)

クロストークでは、プロデューサー応挙による大乗寺の客殿を、二世紀以上もの時を経て、「資生堂ギャラリー」という現代の空間に再構築しようとした十文字氏の想い、同氏が常に「日本の美」の表現に挑み続けるなかで切り開き、見えてきた視座について迫ります。

また、大乗寺客殿に今も息づく応挙のまなざしに対峙したときに十文字氏が感じとったこと、展覧会のみどころ解説などもお楽しみいただけます。

【概要】

十文字美信×伊藤俊治 クロストーク 静寂を叩くー日本の美と場を巡って

日時:9月7日(土)16:00~17:30 (開場は30分前)

会場:資生堂花椿ホール(資生堂銀座ビル3F)東京都中央区銀座7-5-5

定員:120名(事前申込制、先着順)

参加料:無料

URL:https://gallery.shiseido.com/jp/exhibition/event/?rt_pr=trq92

*申込み:Peatixによるお申込みとなります(Peatixアカウントを取得ください)

【登壇者】

十文字美信 (じゅうもんじ びしん)

1947年生まれ。フォトグラファー。1971年に独立。デビュー作「UNTITLED」(首なし)シリーズは、1974年ニューヨーク近代美術館で開催された「New Japanese Photography」展に出展。日本写真協会新人賞、伊奈信男賞、土門拳賞、日本写真協会作家賞、ADC賞などを受賞。資生堂では、「シフォネット」連作広告、「ゆれる、まなざし」の広告の他、企業文化誌『花椿』など多数の撮影を手掛ける。

伊藤俊治 (いとう としはる)

美術史家、美術評論家

東京藝術大学名誉教授

1953年生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科修了(西洋美術史専攻)。多摩美術大学教授を経て東京藝術大学教授。現在東京藝術大学名誉教授、多摩美術大学客員教授、京都芸術大学大学院教授を務める。主要著書に『写真都市』『ジオラマ論』『機械美術論』『電子美術論』『裸体の森へ』『愛の衣裳』など多数。国際展覧会企画に「四次元の知覚」(オーストリア、グラーツ),「移動する聖地」(東京)「デジタルバウハウス」(東京)など多数。

展覧会のみどころ

資生堂ギャラリーは、2024年8月27日(火)から2024年10月20日(日)まで「空想の宙(そら) 『静寂を叩く』 大乗寺十三室|十文字美信」展を開催します。

みどころ① 大乗寺客殿の特色ある空間を独自に再構成

大乗寺客殿は、円山応挙とその一門によって描かれた障壁画による各部屋が世俗的な世界と神聖な世界とを仲介する一種の立体曼荼羅として知られています。建物中央に位置する仏間には、十一面観音像が設置され、仏間を囲む11の部屋と2階の2間の165面に及ぶ障壁画は、それぞれの部屋のストーリーと機能性を併せもつ連続的な空間性に卓越した特徴があります。

本展は、二世紀以上前に応挙がディレクションした大乗寺客殿の空間を十文字美信が撮り下ろし、時空を超えたイメージの巨大なインスタレーションを構成します。神聖な空間の沈黙は破られ、観る者の心が揺さぶられることでしょう。

みどころ② 円山応挙「松に孔雀図」の細部を間近に

大乗寺客殿の中で最も広い部屋が「松に孔雀図」の障壁画がある部屋です。十一面観音像のある仏間を開閉する襖には、応挙による松と孔雀がほぼ原寸大で描かれています。本展では、この障壁画を原寸以上のサイズでギャラリー空間に展開します。そこには、応挙の迫力あるリアリズムを伝えるとともに、人間味のあるブラシストローク、時の経過とともに異次元映像が出現する深い没入感をもった十文字のまなざしを間近に体験できるでしょう。

みどころ③ 連続する空間のイリュージョン

大乗寺客殿は、襖の開閉により次々と障壁画が変化し、描かれた世界がいくつものレイヤーで絵画の内側と部屋の外側の自然風景へとつながっていく総合的な芸術空間でもあります。十文字は、今回全ての部屋を自然光で撮影し、絵画空間のわずかな気配や微妙な動きをとらえようとしています。絵画の繋ぎ目が生み出す変化の豊かさや、襖が開かれて奥の部屋へと連続していく絵画的なイリュージョンが大乗寺の芸術的魅力を解き放つことでしょう。ギャラリー内に再構成された大乗寺の絵画空間は、そこに蓄積された時間の感覚をも顕わにします。

■参考作品画像

         郭子儀の間 円山応挙
          猿の間 長沢芦雪
          猿の間 長沢芦雪

          鯉の間 円山応瑞 亀
         鯉の間 円山応瑞 鯉

なお、本展に合わせ、世界88の国と地域で展開する「SHISEIDO」の最高峰ライン「フューチャーソリューションLX」が十文字とコラボレーションを行います。本コラボレーションは、日本の美意識や自然観をたずね、未来へと時を超える美の体現を目指す「フューチャーソリューションLX」が、十文字が美をとらえようとする姿勢に共鳴したことにより実現しました。「フューチャーソリューションLX」の世界観を十文字が撮り下ろしたビジュアルを制作、今秋「SHISEIDO」の公式SNSより発信予定です。

SHISEIDO公式Instagram  https://www.instagram.com/shiseido/

■空想の宙(そら) 「静寂を叩く」 大乗寺十三室|十文字美信 開催概要

主催:株式会社 資生堂

特別協力:亀居山大乗寺

協力:SHISEIDOフューチャーソリューションLX、株式会社 トライ・トライ、有限会社 仕掛屋、

株式会社 イメージスタジオ・イチマルキュウ、株式会社 アフロ

協賛:富士フイルム株式会社

会期: 2024年8月27日(火)~10月20日(日)

会場:資生堂ギャラリー

   〒104-0061 東京都中央区銀座 8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下 1階

tel . 03 -3572 -3901 fax. 03 -3572-3951

URL: https://gallery.shiseido.com/jp/exhibition/7381/?rt_pr=trq92 (資生堂ギャラリー展覧会詳細)

平日 11:00~19:00 日・祝 11:00~18:00 毎週月曜休 (月曜日が祝日にあたる場合も休館)

入場無料



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