9/22(日)・23(月・祝)の2日間 東大院生のアイデアが温泉街全体での取組に
利根川源流のまち、水上温泉街で2022年にスタートした、見捨てられかけていた建物の魅力を掘り起こしながら開催される「廃墟再生マルシェ」。まちのなかに隠れていた“もったいない場所”を見つけ出し、地元の方々とともに最小限の手直しを加えながら、個性的で味わいある会場の雰囲気を楽しんでもらうのが特徴。
第3回目となる今年は、すでに再生した廃墟からこれから再生予定の廃墟まで、4会場に拡大してマルシェが展開する。温泉街の活性化に関わる東京大学大学院の学生たちを中心に、地元住民や飲食店主、老舗旅館のスタッフも一体になって内装の解体・瓦礫の撤去・空間づくりに取り組んでいる。
マルシェ当日は、町内外から過去最大の約36店舗が出店を予定している。みなかみの飲食・体験・ものづくりを、温泉街の多様な表情の空間をめぐりながら楽しめる。
東大院生発案・温泉街再生に向けた社会実験としての「廃墟再生マルシェ」
高度成長期からバブル期にかけて「関東の奥座敷」として隆盛した水上温泉も、個人旅行へとニーズが移行して以降、大型施設の宿泊客が大幅に減少。ホテル・旅館の廃墟化が問題となっていた。
しかし近年、リノベーションまちづくりによる空き店舗再生や、新規デザインホテルの開業が温泉街を活気づけているほか、温泉街の中心部に位置する大規模廃業旅館・旧「一葉亭」を、みなかみ町・株式会社群馬銀行・株式会社オープンハウスグループ・東京大学大学院工学系研究科の4者連携で再生するプロジェクトが進行している。
この4者連携プロジェクトは、2021年度から地域づくりに参画し、温泉街の将来ビジョンの研究・提案を行ってきている。温泉街を「5つのヒロバ」から再生するコンセプトを立案。同時に、実際にまちなかにある空間の暫定活用実験を行うことで、温泉街のこれからを問いかけ、共に考える、ひらかれた場づくりとして東大院生らが提案したのが「廃墟再生マルシェ」だ。
1回目は2022年10月、温泉街の最奥に残っていた『旧ひがき寮』を会場に約1,300人が来場。昨年の2回目は温泉街の真ん中で利根川に面する『旧一葉亭エネルギーセンター』を会場とし、2日間で約3,000人が訪れた大人気企画となった。旧「一葉亭」の再生が本格化してきた2024年度は、次なる回遊拠点となる「ヒロバ」づくりに向けたファーストステップとして開催する。
水上温泉街の「らしさ」をつなぐ個性ある4会場
今年は東京大学大学院都市デザイン研究室の学生たちと地元の方々がタッグを組んで、何度も会議やフィールドワークを行いながら、4つの会場を選び出した。それぞれ「こうえん」「はしづめ」「まちかど」「うらろじ」と名付けられた。水上温泉街がこれから大事にしていくべき4つの要素を見つめ直すこととした。
「こうえん」には、かつてホテルのランドリー工場として稼働していた倉庫建築を活用したミニマーケットが。「はしづめ」には、谷川岳と利根川を見通すカウンター席を。「まちかど」では地元の方々から愛されていたというアイスクリームショップをカフェギャラリーに。そして「うらろじ」では旧ひがき寮が自然に寄り添うものづくりをテーマとした”まるごとアトリエ”に変身する予定だ。
これまで東大院生らが調査・発掘してきた水上温泉街の歴史史料や、温泉街の将来ビジョンを提案したパネルも各所に展示される。この春から毎月定例で開催された「廃墟再生マルシェ作戦会議」に参加してきた佐藤大輔さん(水上温泉 あらたしみなかみ・総支配人)は「この廃墟再生マルシェが、地元の方や観光客、様々な人達にみなかみの歴史を通して、現在、未来のみなかみ町を知るきっかけになってくれたら嬉しい」と当日への期待を高めている。
当日はアンケートや回遊調査を実施し、その結果を温泉街ビジョンにフィードバックしていくことが予定されている。
“これからのみなかみに出会う飲食・体験・ものづくり”をコンセプトに多数の出店
年々増加している出店者は、今年はいよいよ36店舗あまりに。
利根川源流の恵みを生かしたコーヒー、温泉街で醸造したクラフトビール、地産地消のホーリーバジルティーなどに加え、関東を中心に銭湯やローソンなどで展開している「イヨシコーラ」がみなかみ町の水とヒノキのフレーバーウォーターをブランドした試作品を持って出店予定(22日のみ)。地元のブランド米をつかった団子や、地場野菜を使ったタイフードなど、個性的な味も多数楽しめる。
環境にやさしいクラフト製品やプログラムもならぶ。アップサイクルやプラスチックフリーの雑貨販売、ハギレや廃糸をつかった織り体験、太陽の光を使って青写真をつくる“サイアノタイプ”ワークショップも開催される。
みなかみ町と森林資源の有効活用に関する協定を結んでいる「株式会社カインズ」も、DIYをテーマに同マルシェに初参加。廃材を活用したキーホルダー作りなどの体験ワークショップを開催する。
また「群馬トヨタ自動車株式会社」は水素を燃料とするFCV(燃料電池自動車)「MIRAI」を『はしづめ』会場に配置予定。廃墟解体後の広場空間に給電し、会場照明をサポートする。
そのほか、移住したばかりの方や移住を検討中の方が、チャレンジと情報収集を兼ねて、こだわりの一品を出店するブースも。みなかみ町や温泉街暮らしの魅力や悩みを、彼らと語り合ってみるのも面白いかもしれない。
廃墟再生マルシェ2024開催概要
日付 2024年9月22日(日)、9月23日(月・祝)
時間 9月22日=10:30〜19:30、9月23日=10:30〜16:30
会場
『こうえん』:忠霊塔公園周辺(みなかみ町湯原623-1)
『はしづめ』:湯原橋・旧蒼海ホテル跡(みなかみ町湯原662)
『まちかど』:旧オーレ(みなかみ町湯原665)
『うらろじ』:旧ひがき寮(みなかみ町湯原641-1)
Web:
https://minakami-haikyo-saisei.com/
Instagram:
https://www.instagram.com/haisai_minakami/
※ 小雨決行。荒天時は縮小開催あるいは中止となる場合があります。
※ お車でお越しの方は、観光会館駐車場や温泉街駐車場をご利用ください。
出店予定者一覧
※出店会場や出店内容は一部変更となる場合があります
会場1『こうえん』
PLANTS & COFFEE ね………プランツとドリンクの販売
オクトワンブルーイング………クラフトビール
株式会社カインズ………柄が外せるDIYスプーン作り、端材を使ったキーホルダー作り
増田鉄工所 ※9/22のみ………スプーン作り体験
焼肉桂来………ビール、サワー、上州牛煮込みほか
マルトミ商店………バケットサンド
おやつ屋nuage………焼き菓子
スナック之の団子屋………団子
『旅する台所』 ※9/23のみ………キューバサンド、焼き菓子
気ママ屋 ※9/22のみ………酵素玄米、アップルパイ
The Skinny Arms………Hamburgers、Drinks
イヨシコーラ ※9/22のみ………みなかみコーラ
みなかみ町観光協会 ※9/22のみ………「ミラボ」とコラボワークショップ、グッズ販売等
会場2『はしづめ』
カレー屋まさら………スパイスカレー、チーズナン
スープとジュースの店 chill ※9/22のみ………スープ、タコス
Yujuカンパニー………ホットドッグ、源流コーラ
菓子工房 大とろ牛乳………大とろ牛乳もみもみパック、焼き菓子
PATONKO ※9/23のみ………タイ料理(カオマンガイ・ガパオライス・パッタイ)
3kakufoodstand ※9/22のみ………サルサドッグ、オリジナルクラフトドリンク
群馬トヨタ自動車株式会社………燃料電池自動車「MIRAI」
会場3『まちかど』
DDC~ Drip and Drops Coffee Minakami………珈琲
ayanasu………水引アクセサリー
会場4『うらろじ』
天然地球素材-earth100%- ※9/22のみ………ミニ手織り体験、手織りハギレのコラージュ体験
nahele………オーガニック食品、エコ雑貨
nakanojo kraft project※9/22のみ………クラフトチョコレート
kittoko………ヘアアクセサリー、カラフルS字フック、パラコードを使ったワークショップ
Baby’s smile ※9/23のみ………自家製ドライフラワーを使った花雑貨
らんぷやさん………トルコランプの販売、ワークショップ
Rapunzel & Pascal (ラプンツェル&パスカル)………デットストック商品(既製品)、インド綿ワンピース、バッグ、文房具(ノート、ボールペン)
青空写真館 ※9/23のみ………サイアノタイプワークショップにて写真体験
ヒトゴト………キャンドル・アクセサリーの販売
SAEKI KOBO ※9/22のみ………廃材を使用したWOOD BURNINGワークショップ
苔テラリウム popo工房………ワークショップ(苔ぼっくり・手のひら苔盆栽・ミニ苔テラリウムなど)、苔テラリウム作品販売
matatabi………軽食(ホットサンド&焼菓子)、ドリンク(自家製ドリンク&コーヒー)
Mike’s Cafe………コーヒー、クッキー、タルトなど
佐川 航大 ※9/23のみ………みなかみの自然に関連した写真作品の展示
主催者情報
主催
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廃墟再生マルシェ実行委員会
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みなかみ町
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株式会社群馬銀行
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株式会社オープンハウスグループ
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東京大学大学院都市デザイン研究室
協力
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湯原区
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群馬トヨタ自動車株式会社
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株式会社カインズ