2024年度研究【イマドキ家族の自分時間・親子時間に関する調査】
株式会社ジェイアール東日本企画 イマドキファミリー研究所では、急増し大多数となった共働き子育て家族を、新しい価値観を持つ「イマドキ家族」と位置づけ研究を行っています。今年度は「イマドキ家族の自分時間・親子時間に関する調査」を実施しました。
近年、政府や企業による男性の育休取得促進に向けた環境整備が進むなか、その取得率は大幅に上昇しています。そこでイマドキ家族でも特に「パパに育休経験がある層」に着目し、イマドキママの時間の使い方や、消費行動について明らかにしました。
【TOPICS】
トピックス1. 長子5歳以下のイマドキパパの育休経験率は約5割。
夫の育休経験がママの精神的余裕に。
首都圏40km圏内の長子中学生以下の共働きママに聴取した結果によると、夫の育休経験率は37.6%であることがわかりました。さらに、長子の年齢が低いほど夫の育休経験率は高く、長子0~2歳児では50.0%、長子3~5歳児では48.0%と、長子5歳以下で約5割に達しました。
イマドキ家族では、夫に育休経験があることが珍しいものではなくなってきています。
■長子年齢別での共働きママの【夫】の育休経験率
次に、夫の育休経験の有無による共働きママの時間的余裕度を見てみると、「時間的余裕がある
ほうだ」と答えた割合は、夫に育休経験がある共働きママが28.2%であるのに対し、夫に育休経験
がない場合は21.5%でした。これは、夫の育休期間中だけではなく、育休が終わった後も、時間的
余裕に差があることを示しています。
■時間的余裕度(時間的余裕があるほうだ「そう思う」+「ややそう思う」に回答)
さらに、精神的余裕度についてみると、夫に育休経験がある共働きママの「精神的余裕度」は36.2%で、夫に育休経験がない場合の26.9%を10ポイント近く上回りました。
パパの育休経験が、忙しいイマドキママにとって、時間の面だけでなく精神的な面においても良い影響を与えていることが明らかになりました。
■精神的余裕度(精神的余裕があるほうだ「そう思う」+「ややそう思う」に回答)
トピックス2. 育休経験のあるパパの「妻に休息時間を作る」意識と行動が
イマドキママの自分時間【Me TIME】を生み出す
今度は、育休経験のある共働きパパの意識と実態をみてみます。「休日は配偶者に休息時間を作ってあげたい」と答えた割合は育休経験のある共働きパパでは54.3%で、育休経験のないパパの45.2%を大きく上回りました。また、育休経験のある共働きパパの20.4%が「パパと子供たち」の組み合わせで週1回以上お出かけしています。
つまり、育休経験がある場合は、5人に1人のイマドキパパが毎週子供だけを連れて別行動することでママに時間を作り出しており、育休後も育児に積極的に関わり続けていることがうかがえます。
■休日は配偶者に休息時間を作ってあげたい
※「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した割合
■ 「パパと子供たち」の組み合わせにおける週1回以上のお出かけ率
次に、こうして生み出された時間に対する共働きママの意識を見てみると、夫に育休経験がある場合、「休日は自分の時間を作って楽しみたい」と答えた割合が半数に達し、夫に育休経験がない場合よりもやや高い結果となりました。
夫の育休経験によって生まれた時間的・精神的余裕がイマドキママの「自分のための時間」(=Me TIME)を作りたいという意識につながっていると考えられます。
■休日は自分の時間を作って楽しみたい
※「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した割合
トピックス3. イマドキママの【Me TIME】は家族以外との外食や映画鑑賞など
オフ家族モードの消費を促進
最後に、共働きママの「自分時間にしていること」を聴取した結果をみると、夫に育休経験がある場合、「外でおいしいものを食べる」「美容目的のメンテナンス」「映画館へ行く」など、外出して行うことの実施率が高いことが明らかになりました。自宅内で自分時間を過ごすだけではなく、家族モードから切り替えた「オフ家族モード」で外出し、アクティブに過ごすことに自分時間が使われています。このことから、男性の育休が共働きママの消費活動を活性化させる可能性があると考えられます。
今後、男性の育休取得が増加すれば、この傾向はさらに強まることが予想されます。忙しい中でも外出して消費活動を楽しむ意向が高いイマドキママに対して、自分時間【Me TIME】をより効率的に、充足できる商品やサービスがますます求められていくのではないでしょうか。
■自分時間にしていること(MA)
※平休いずれかで自分時間をとれている人ベース
イマドキファミリー研究所
「イマドキ家族の自分時間・親子時間に関する調査」調査概要
1.調査方法
クローズドモニターによるウェブアンケート調査 *スクリーニング・本調査一体式調査
2. 調査対象
下記条件に当てはまる対象者
・25~59歳の長子が中学生以下の子供がいる既婚男女
・「配偶者」+「子供」のみで同居(自身および配偶者の親との同居なし)
・働き方2区分 ①共働き:フルタイム共働き ②専業主婦家庭:夫フルタイム・妻専業主婦
*フルタイム勤務条件:
パパ「正社員・契約社員」もしくは「自営業・自由業」かつ、
「週5日以上」勤務かつ、「週35時間以上」勤務
ママ「正社員・契約社員」「派遣社員」「自営業・自由業」いずれかかつ、
「週5日以上」勤務かつ、「週30時間以上」勤務
・職業除外:マスコミ・メディア関連、広告代理店、調査会社
3. 調査日
2024年7月11日(木)~2024年7月18日(木)
4.有効分析数
合計 2,000ss ママの働き方区分×長子年齢で割付。
5. 調査対象地域
首都40km圏(東京駅を中心として半径40km圏内の一都三県の市区町村が対象)
-「40km圏に全てが入っていない市町村」については40km圏への掛かり具合や、
都心へのアクセスを考慮し選定
「イマドキファミリー研究所」について
「イマドキファミリー研究所」は 、働き方改革や育児スタイルの変化など子育て中の家族を
取り巻く環境の変化に着目し、イマドキの子育て家族のインサイトを捉え、企業と家族の最適な
コミュニケーションを発見・創造することをミッションとしたプランニングチームです。
「イマドキファミリー研究所」 https://www.jeki.co.jp/field/imafami/
当社の情報発信サイト「恵比寿発、」では、本研究所のメンバーが、さまざまな研究データを
もとに、イマドキ家族の実態を定期的に発信しています。ぜひご覧ください。
「恵比寿発、」 https://ebisu-hatsu.com/
「イマファミ通信」 https://ebisu-hatsu.com/list/?category=imafami ※「恵比寿発、」内