NPO法人 新潟総合スポーツクラブOZ / 舞 Field Football Club
2018年、5月26~27日と2日間、スポゲル編集部一行は一路新潟へ。いつもスポゲルを団体購入していただいているサッカークラブチームに表敬訪問です。
ナイター照明の中、フィールドを駆ける舞 Field Football Club選手たち
2018年5月26、27日、新潟県新潟市のサッカークラブチーム「舞 Field Football Club」に表敬訪問に伺ってきました。
代表兼監督の郷野太郎さんは「アルビレックス新潟」で監督やコーチを務めた大ベテラン、坂神翔さんは「横浜Fマリノス」「エスポルチ藤沢」での経験を活かし、現チームのコーチをされています。
また当日はお会いできなかったのですが、ゴールキーパーアドバイザーは「京都パープルサンガ」「サンフレッチェ広島」などで活躍した木寺 浩一さんです。
一体どんなお話が聞けるのか、出発前からとても楽しみでした。
新潟表敬訪問 DAY-1
26日の夜19時頃、新潟駅に到着。5月とはいえ気温も低く風もあり、とても寒く感じました。スポゲル一行は初夏の装いで明らかに場違いな様子…。
新潟駅から練習場がある江南区舞潟に車で向かうこと20分、「舞 Field Football Club」のみなさんが練習をしている「OZフィールド」に到着。
すっかり日も暮れたナイター照明の中、20名ほどの子どもたちと、そして監督とコーチが一所懸命にサッカーの練習をしていました。それは新潟駅で「コートを持ってこればよかった」と寒さに震えていたことが恥ずかしくなるくらい熱心な練習ぶりでした。
寒さを吹き飛ばす本番さながらの熱いプレーが続出
自分たちが小学生の時に、あんなに熱心に打ち込んだことがあっただろうか?と考えさせられるほど、フィールドの選手の熱気と迫力に押されっぱなしです。
私たちがベンチの方に近づくと、それに気づいたコーチが歩み寄ってきてくれました。「こんばんは!」いかにもスポーツマンらしい清々しい挨拶に心を打たれます。
「舞 Field Football Club」の坂神翔コーチでした。練習中ということもあり、簡単に現場のことやチームのことを一通り説明していただき、また練習に戻っていきます。
20時をまわった頃、練習も佳境に入ります。いわゆる紅白戦のようなチーム対抗戦ですが本番さながら、その様相は本気のゲームさながら。
様々なテクニックが織り交ぜられ技術が高い選手も多数
練習の最後はミーティング
この日は短い時間でしたが、練習後に少し郷野監督や坂神コーチとお話をすることができました。
驚いたのはNPO法人を通じ、地域貢献で「お米作り」をされていることでした。そう、新潟の名産物です。少子高齢化、農業従事者の減少など、正直、昨今では当たり前すぎで危機感が薄れていたのですが、目の前の方々がこうして取り組んでいるというのは、どこかハッとささせられます。
熱心に練習に取り組む子どもたちのこともそうですが、胸に手を当て考えたくなる出来事ばかり、ある意味衝撃的な表敬訪問の初日でした。
新潟表敬訪問 DAY-2
新潟表敬訪問の2日目、この日も「舞 Field Football Club」の練習見学に「OZフィールド」に。
10時頃に到着すると、既に練習が始まっていました。練習なので真面目に一生懸命は当たり前ですが、昨夜は気が付かなかった選手たちの表情の中に「楽しさ」が伺えます。やはり「サッカーが大好き」なんですよね。見ているこちらも心地よくなります。
整備された人工芝のピッチに元気な選手たちが映える
この日は天気もよくフィールドの選手越しに「新潟スタジアム」が見えました。郷野監督や坂神コーチも声を揃えて「今日は珍しく快晴です」とのこと。まさに練習日和。
新潟スタジアムもお目見え
昨日同様、グラウンドを駆け巡る選手たちに圧倒される
この日の練習の最後はゴールキック対決。監督やコーチも交えて真剣勝負です。
迫力のアングルを求め、ネット脇で撮影
予想以上に強烈なシュートが続きます
郷野太郎監督も参加、監督のシュートに場も盛り上がります
練習終了後、坂神コーチのインタビューをさせていただき、スポゲルのこと、スポーツケアのことなど語っていただきました(インタビュー記事はこちら)。
その後、監督やコーチは選手の送迎とのことで、1時間後に某所で待ち合わせ。そこでもやはりスポーツマン、郷野監督と坂神コーチは揃って待ち合わせ時間10分前には到着です。スポゲル一行は土地勘がないのでたまたま(?)早めに現場入りしていたのが幸いします。
そこでのお話は、スポゲルがどのように使われているか、どういう効果を実感されたかなどのお話もありましたが(詳しくは坂神コーチのインタビュー記事にて)、「舞 Field Football Club」の活動内容や将来的なビジョン、NPO法人 新潟総合スポーツクラブOZでの活動など、サッカー教育のみならず、地域貢献や人材育成など幅広くご活躍されていることでした。
中でも驚かされたことは、地位貢献のお話でのこと、当日の練習前、みんなで早朝から数時間、田んぼの手入れをしていたというのです。もしかしたら地方の方なら農業の重労働の大変さを知っているかもしれませんが、決して生易しいものではありません。
5月といえば田植えの時期ですが、信濃川近くは大雨や台風の影響を受けやすいこともあり、こまめなメンテナンスが必要というのです。もはや日常という表情で、すごいことをひょうひょうと語るお二人には驚くしかありません。
地元の農家の方と田植え作業中の坂神翔コーチ
それだけでもすごいのですが、さらに作ったお米をブランド化し、おにぎりにして販売まですることで地元の方に還元できる、これを実践するために駅前でおにぎりショップの準備を進めているというのです。本気の社会貢献を目の当たりにした瞬間でした。
「本気で農家の方にしっかり還元する」ために
NPO法人を通じ新潟市内でおにぎりの直営店も運営
『一体感』を再認識されてくれた新潟表敬訪問
農業体験を通じ、実際に地域の方と深く交流をする。クラブチームの子どもたちは、これらの取り組みを間近に見ることで、とても良い影響受けることは言うまでもありません。
坂神コーチの印象的なコメントで「数百人の子どもたちの大会運営はものすごく大変です。でも、試合中の選手、監督やコーチ、それから応援にきてくれる親御さんたちとの、あの一体感というのは、敵対するチームとの勝敗など通り越して、準備や片づけの苦労など吹き飛ぶくらいの不思議な体験をさせてくれるんですよね」と。
さらに加えて「農業やお米作りもそうですが、ある程度の人数で、ひとつ目的に取り組んでいるときもそうで、その場にいないと、あの一体感って絶対に得られないじゃないですか。そういう本当に価値のある体験を子供たちに味わってほしいんです。」
有言実行どころか、子どもたちの未来まで見据えたビジョンには、とても説得力があります。
スポゲルとしても「スポーツで頑張っている人々のお役に立ちたい」「スポーツを通じ社会貢献をしたい」といった旗印のもとメンバーが集っているものの、どこか漠然としている感は否めない。しかし、そんな不安は今回の表敬訪問で大きな何かを教えてくれました。
郷野監督や坂神コーチのお話を聞いていると、急に具体的になってきそうです。「いつか<スポゲルカップ>とかできたらいいですね。」と語ってくれたお二人の笑顔が印象的でした。
郷野監督、坂神コーチ、そして「舞 Field Football Club」のみなさん、2日間の練習見学や、インタビューと、本当にありがとうございました。皆様の益々のご活躍に期待しております!