動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)とは
一般的にストレッチと聞くと筋肉をじっくりと伸ばしていくことをイメージしますね。
ケガをしないためにスポーツをする前にゆっくりと身体を伸ばして・・、というのが常識的に行われていますが、スポーツ直前であればあまり効果がないかもしれません。
スポーツ直前にはどんなストレッチが向いているのか解説します。
動的ストレッチ目次
1.動的ストレッチとは
2.動的ストレッチのメリットデメリット
3.これからやるスポーツに関連した動きをする
4.他の効果は?
5.呼吸も忘れず
1.動的ストレッチとは
じっくりと止まったままで筋肉を伸ばしていくストレッチは細かく分類すると静的ストレッチといわれているのですが、筋肉を伸ばして関節の可動域を広げてくれます。
静的というだけにじっとしているので、体温が上がることがなく、心拍数が下がって、リラックス効果が高いというメリットがあるため、運動後や就寝前には効果的ですね。
ただ、これからスポーツをするという場合は場合体温を上げ、少し興奮状態に持っていく必要があるため直前にリラックスしてしまうとよくないんです。
そこで静的ストレッチに対して動的ストレッチが登場です。
言葉としては動的ストレッチってなじみがないのですが、ラジオ体操なんかも動的ストレッチに分類されます。
動的ストレッチという言葉は新しい感じがしますが、誰もがすでに経験はされているわけです。
ラジオ体操のように、ある動きを何度か繰り返して、関節や筋肉を伸ばして刺激を与える運動ですね。
激しさにもよりますが、心拍数が上がり、体温も上がり、関節の動きがなめらかになるのでスポーツのパフォーマンスが上がるというメリットがあります。
運動前の準備運動として最適なストレッチになります。
2.動的ストレッチのメリットデメリット
動的ストレッチ、静的ストレッチに関してはそれぞれメリットデメリットがあります。
それに応じでどんな場面で使うべきかも決まってきますので、有効に使っていきましょう。
動的/静的 | メリット | デメリット |
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動的ストレッチ |
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静的ストレッチ |
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3.これからやるスポーツに関連した動きをする
動的ストレッチがスポーツ直前にピッタリという理由の一つに、ストレッチの動きにそれぞれのスポーツの動きが組み込まれているという特徴があります。
どんなスポーツであってもラジオ体操をしても構わないのですが、それぞれのスポーツごとに特徴的な動きがありますから、野球の例えばピッチャーは投げる動きを組み込んだ準備運動、サッカー選手はキックを入れ込んで、おもに下半身を、そしてそれに連動させるように上半身も運動をしていきます。
野球(ピッチャー)向け動的ストレッチ
サッカー向け動的ストレッチ(ブラジル体操)
テニス向け動的ストレッチ
動的ストレッチで筋肉の伸び縮みを繰り返していると関節の可動域は少しずつ広くなっていき、なおかつ伸びたところからでも力が入りスムーズに動くようになってきます。
可動域が広く力強い関節になれば、スポーツをするうえで圧倒的なメリットとなりますから、スポーツ前には必ず動的ストレッチをやるようにしましょう。
4.他の効果は?
動的ストレッチでのさらにもう一つの効果はリハビリとケガの予防が挙げられます。
例えば腕を骨折してギブスで長い時間固定していると肘の関節が硬くなってしまい、本来のようには動かなくなりますよね。
そんな関節は、静的ストレッチでただ単に伸ばしてもすぐに本来のように動くようにはなりません。
関節を動的ストレッチで少しずつ動かし、段階的に動ける範囲を広げていくことで、思い通りの本来の動きに戻るのです。
関節の可動域が広くなり、その上力強くなれば、それぞれの競技においてきれいなフォームによる無理のない動作ができます。
また競技中の事故でも、衝撃を緩和したりできるので、大きなケガを避けることができたりなど予防にもつながります。
5.ストレッチでは呼吸も重要です
ストレッチでついつい止めてしまいがちなのが呼吸。
特に無理に筋肉を伸ばしすぎたりするとどうしても呼吸を止めてしまいがちです。
吸ったり吐いたりを無理に意識するのもどうしても忘れがちになりますから、とにかく呼吸は吐くことを意識して行いましょう。
静的ストレッチの場合は息を吐きながら筋肉をじわじわと伸ばしていき、静止してからもそのままゆっくりと呼吸を続けます。
動的ストレッチの場合、リズミカルに身体を動かしますから、それに合わせて呼吸をしていくことになります。
ストレッチをするときにどうしても呼吸を止めて頑張ってしまうことが多くなりがちですので、息を吐くことに集中してみましょう。
身体を動かしながら息を吐くことさえできれば自然に吸うようになりますので。