静的ストレッチ(スタティックストレッチ)とは


静的(スタティック)ストレッチとは

一般的にストレッチと言われて想像するのがこの静的ストレッチで、ほとんどの方が今までに一度はやっているものかなと思います。

筋肉をゆっくりと自力で伸ばして、10秒とか、数十秒停止する。というものですね。

時間をかけて筋肉をゆっくりと伸ばしていくので、柔軟性のアップや可動域を広げる効果があり、運動後や仕事の合間の普段のストレッチ、ご高齢の方や、ケガの後のリハビリに特に有効です。

 

静的ストレッチ目次
1.静的ストレッチがすべての基本
2.静的ストレッチを運動前にやるのは良くないのか?
3.目的は何よりもまず柔軟性の向上
4.静的ストレッチのポイント
5.最後は気楽に

 

1.静的ストレッチがすべての基本

静的ストレッチに対して動的ストレッチというものがありますが、静的ストレッチがとにかくストレッチの基礎と考えてください。

スポーツをしている、していない人どちらであっても王道のストレッチです。

静的ストレッチという土台があって、その上に動的ストレッチ、知名度が上がってきた筋膜リリースなどがあるわけです。

静的ストレッチは一人で場所を選ばずいつでもできるので仕事の合間でも取り入れる事ができますね。

 

2.静的ストレッチを運動前にやるのは良くないのか

今は運動前に静的ストレッチをやるとパワーが出ない、とか、スピードのある動きができないなどの論文発表がされ、運動前に静的ストレッチをやめておこう、、という意見がよく言われるようになってきました。

例えば2013年のJournal of Strength and Conditioning Researchに掲載された論文では、
静的ストレッチ後の筋力が5.5%ダウン、下半身の安定度に至っては23%ダウンという結果が発表されています。

これだけ読むと、静的ストレッチを少なくとも運動前にやるのはよくない・・
と思ってしまいますが、静的ストレッチの後いきなり全力で筋力を出そう、ジャンプしようとした場合、という条件が付きます。

しっかりと静的ストレッチをして関節、筋肉を緩め切った直後に測定するので当然といえば当然の結果ですよね。

実際に、筋肉をストレッチで伸ばし切った後すぐに、全速力とか、高重量で筋トレをやる方はまずいないでしょう。

先日惜しまれつつ引退したイチロー選手などを見ても入念にストレッチを実践した後にランニング、キャッチボールをして徐々に激しい動きができるようにパフォーマンスアップにつなげていますね。

 

3.目的は何よりもまず柔軟性の向上

特に日常生活では何をするとしても筋肉は縮こまることはあっても、勝手に自ら伸びるようなことはしませんね。

これを静的ストレッチで積極的に伸ばすことで血流がよくなり、凝り固まった筋肉が柔らかく活性化されてきます。それに合わせて関節もリラックスします。

スポーツにおいては可動域が広がってくることで、よりダイナミックに動くことが可能になり、柔軟性が増すことでけが予防もできます。

やはり土台となる静的ストレッチ。できれば就寝前の日課とかにしたいところです。

 

4.静的ストレッチのポイント

▶ タイミングは?
最も望ましいのはお風呂上がりですね。
筋肉が温まって血流が活発になっていて、柔らかくなっていますから。
逆に避けた方がいいのは食後30分以内など。
胃腸に血が集まっているので、身体にも消化に集中してもらうようにしましょう。
あと、運動後や、入浴後に静的ストレッチはタイミングはばっちりですが、
脱水状態になっていることがあります。水分補給に気を付けて行ないましょう。

▶ 効果持続時間は?
数時間程度の効果があると言われていますが、
数時間おきにやるというのは現実的ではないので
1日1回入浴後などが習慣になるのであればいいですね。

▶ 無理をしない
無理に力を入れて筋肉を伸ばそうとすると筋肉や腱を痛める恐れがあります。
負けず嫌いの方や、痛いのを我慢するのが好きな方は気を付けてください。
(筆者も痛いのは自分なのに、我慢して堪えて喜んでいるときがあります(笑))
また、どうしても他人と比較したくなりますが、
柔軟性には大きな個人差がありますし、年齢差、男女の差もあります。
少しずつでいいですし、結果をすぐに求めず、気持ちいいなーというレベルで自分に合ったことを継続し、
毎日続けることが大切です。

呼吸を止めず、リラックスして行う
一生懸命に伸ばしすぎると呼吸を止めてしまう場合があります。
ゆっくりと呼吸してできるだけリラックスしてストレッチをしましょう。

ケガの場所はやらない
例えばねんざをしたところなどは、炎症がひどくなる可能性がありますので、
無理してストレッチをしないようにしましょう。

 

5.最後に

身体は柔らかければ柔らかいほどいい、というわけではありません。

開脚で180度ベターっとできる人をうらやましく思いますが、その状態で力が全然発揮できないのであればあまり意味がありません。

可動域が広いだけで、力が入らないのであればスポーツにも役立たないし、逆にケガの可能性も上がってしまいます。

ちゃんと力が入ってコントロールできて、なおかつ柔軟性があるというのが理想です。

ですから無理をせずに気持ちよく日課にしましょう。

 
最後に静的ストレッチの7つのゴールデンルールを書いておきます。

  1. すべてのストレッチをゆっくりとやさしく行ないましょう。
  2. 伸ばしている間は決して反動を使ってはいけません。それぞれのストレッチポーズを滑らかで連続的な動きで楽にしてください。
  3. 深呼吸をしながらしましょう。ゆっくりと息を吐きながら伸ばしてください。
  4. ストレッチを強く無理にしないでください。むしろ、息を吐き出しながら身体を自然に伸ばすようにしてください。重力に任せる感じで。
  5. 各ストレッチポーズごとに痛くならない程度でにリラックスしてください。
  6. 各ストレッチポーズを少なくとも20秒間維持します。
  7. 目一杯痛くなるほど伸ばすのではなく良いフォームを心掛けましょう。