post
コラム

健康コラム 7 体温と免疫力

posted

体温と免疫力|コラム7

人の理想的な体温は、36.5 度と云われています。
これは、日本人のだいたい7割程度の平均体温が、約 36.8 度ぐらいで
健康的な人の体温の幅は、36.6 度~37.2 度の間だそうです。

体温は、季節や外気温に触れるカラダの外側から中心部分にむかうほど高くなり、手足や顔、皮膚などが一番低く、内臓などの中心部分ではその働きを一定に保つために、高温で安定しているとされます。この安定した部分の体温を、「中核温(ちゅうかくおん)」というそうですが、臓器などの部分の体温を日常的に測ることは私達には出来ないため、誰もが測りやすい脇の下や口(舌下)、そして耳などを用いるとのこと。

そして平熱も、その人の1日のリズムによって、更に、測る場所によっては温度が異なることから、普段から体温を測定する場合は、測る時間帯をおおまかに決めて、その時間に測る。測るカラダの箇所も、それぞれの平均体温を知ることが重要となりますが、毎日記録を付けるとなると、それも億劫となって続かないのであれば、例えば、脇の下であれば脇の下、口(舌下)であれば口(舌下)、と決めて体温記録をしたほうがいいですね。人によって平均体温も異なりますから、自分の健康状態の管理には、まずは自分の平均体温を知っておくことが大前提となります。

自分の平均的な体温を知っていると、なんとなく体調がすぐれないなと感じる時でも、体温が、いつもよりも低い場合、反対に、高い場合、今の自分の体調がどのような状態であるかを気づくことが出来ます。例えば平均体温が低い人だと、平熱範囲といわれる 37 度であっても発熱である可能性がありますし、平均的な体温が比較的高い人であれば、37 度はそう心配するほどではなく、むしろその人の平熱範囲であるともいえます。

健康的な状態の維持、そして免疫力の向上は、「まずは自分の平熱を知る」。
これが最初の大切な基準となる作業になるわけですね。

【低体温は万病の元】

現代人は、体温が低いといわれていますが、これはどういうことでしょう?
いわゆる「低体温」体質とよばれているものです。

日本の大学としては初めてとなる統合医療の先駆者、東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授の川嶋朗医師は、「冷えはうつ病や糖尿病、がんにまで関係する『万病のもと』だ」と主張されています。川嶋先生によると、日本人の平均体温は、この 60 年の間に、0.8 度も下がっているとのこと。体温が1度下がると、免疫力が約30%も低下すると云われていますが、これは大変なことですね!

低体温の状態では、例えば、免疫細胞が病原体のところまで届かないと感染症にかかりやすくなりますし、がんもできやすくなるそうで、急に病気になるわけではなく、放置することで、じわじわとその影響が蓄積されるそうです。

この、平均体温が低い状態は万病の元となる、という認識は、近年では、多くの人の共通認識ではないでしょうか。であれば、どうして低体温が万病の元といわれているのか?ということです。

低体温とはつまり、カラダが全体的に冷えている状態を指します。体温が低いと血液の温度も低い状態となり、血液の温度が低いということは、血液がドロドロ状態で、血流が悪くなる。血流が悪くなると、血行が鈍くなり、カラダの隅々まで酸素が行き届かなることで、免疫細胞とよばれる白血球の働きが低下し、体外から入ってくる各種病原菌、ウイルスなどを撃退する力が低下する。これが「免疫力の低下」状態ですね。体温と免疫力はものすごく密接関係にある。ということですね!

ではなぜ?免疫力低下を招く低体温の人が増えたのかということなのですが、いろんな方の様々は指摘がありますが、ざっとその指摘内容を調べてみると:-

① ・食生活の変化
② ・運動不足

この2点に要因に指摘が集中していました。

【食生活の変化】

日本の国土面積は諸外国と比較しても小さい方ですが、北海道から沖縄までの南北に、2,500 キロと長い特長から、地域ごとの季節の平均気温が異なります。例えば、北海道の12月の平均気温は、約マイナス1度。しかし沖縄だと約19度と、日本全国で、これだけの気温差があります。その為、旬の食べ物も地域ごとで異なってきます。その土地の特長的環境下で育つ食べ物こそが、その土地で暮らす人の健康に良いです。

季節ごと、地域ごとの旬の食べ物とは、基本的に、暑い地域の暑い時にはカラダを冷やしてくれるもので、寒い地域の寒い時にはカラダを温めてくれる季節の野菜や果物が育ちます。それを日常的に食べることでカラダの健康バランスを保ってきたのだと思います。ですが近年では、食べたい時に食べられるものが簡単に手に入るようになり、旬の野菜、季節の果物といった枠が無くなりました。

現代人が、「いちごの旬の季節は?」と聞かれて回答に困る、といったことがありますが、食材のメインのひとつとなる「キャベツの旬の季節は??」と聞かれると、更に回答につまる人が多いのが、これも物語っています。

旬の食べ物がカラダに良い理由はいくつもあります。まず、「美味しい!」。これはとても大切ですね!この「美味しい!」は、その旬の野菜や果物にとって一番理想的環境下で育つことから栄養素も抜群です。ここが免疫力アップやウイルスなどへの抵抗力向上にはとても重要となります。

暑い日にあっさりしたものが食べたくなるとか、寒い日には自然にカラダを温めるものが欲しくなるといったことも、人間本来、誰もが持つ、本能的な部分からの自己防衛サインなのかもしれません。旬の食べ物がわからなくなりつつも、やはり、カラダのそうした欲する声には、素直に従ってみるのが健康維持と免疫には良いのかもしれません。

もう一点追加すると、年中、冷たい飲み物を好んで摂取する傾向が強いことが低体温に関連しているのではないか?ということです。これに関しても、エアコン等の空調設備の発達によって、室内環境が一定の温度で保つことが容易になったことで、暑い日に冷たいもの、寒い日に温かい飲み物、といった枠がなくなっています。年中、平均的気温が保たれている環境下で代謝が上がると、どうしてもカラダを冷やしたくなる冷たいものが欲しくなりますが、これが継続持続されてしまうと、どうしても体温が低くなる原因になるといわれており、できるだけ飲料水も、室温というか、カラダを冷やさないものを選びたいものです。

このように、日々の食べ物や飲み物が、体温にとても関連していることがわかります。日頃からちょっと意識して、できるだけ温かいものをとることを心掛けるだけでも、低体温といった状況は防げますし、また改善も可能になりますし、血液の循環が良くなることで免疫力向上になるのですね。

【運動不足】

この運動不足、という状態は、日本人は元々、農耕民族であることから日常的に適度な運動を毎日していたこととなるわけですが、現代人の多くが、この日常的に何気に適度な運動が、デスクワークの増加に伴って減ってしまっているとろに、現代人は運動不足傾向だと指摘されている原因なのだろうと推測します。確かに、畑仕事は実は中腰で行うことが多いのです。ずっとスクワット状態、みたいな感じです。まさに!畑のアスリート。地方のお年寄りに健康な方が多いのは、畑仕事がそのひとつの理由だと思います。

そして女性にとっての話題のアンテナのひとつ、ダイエット。これもやりすぎると実はあまりカラダの健康や免疫力には良くないのです。ダイエットで体重を減らしすぎると、カラダの断熱材の役割を担う体脂肪が筋肉とのバランスを崩してしまい、体内の熱量生産が落ちてしまう。これによってホルモンバランスの乱れから低体温を招き、いわゆる「冷え性」という症状としてカラダに現れてきます。

もともと女性は男性より筋肉の量が、約10%程度少ないとされ、体内で作れる熱量もその分が低くなります。これを女性の場合は脂肪でカバーしているため、無理なダイエットは結果として、体調不良としてカラダに現れてしまいます。
デスクワークなどの日々の生活が増えた現代の適度な運動は、例えば、歩くこと。お散歩などですね。車の使用量を減らして歩く、自転車にしてみる。電車通勤の際には、駅ではなるべくエレベーターを使わず、階段にしてみる。こうした少しカラダに負荷がかかる日々の習慣が、毎日の適度な運動に繋がります。

適度な運動の持続は、カラダの代謝を良くして筋肉を一定に保ってくれます。筋肉が動くことで体内での熱量を生産してくれます。体温の約40%が筋肉で作られますので、筋肉量が減ることは、年齢と共に、特に気を付けたいところです。

プラス、好きなスポーツを見つけてみることで、楽しみながら日常的に適度な運動を取り入れることが自然に出来ます。ヨガやストレッチなどは、とても良いですね。固くなった筋肉を伸ばして柔らかいカラダになり、血流をあげてくれます。最近では、「宅ヨガ」、「オンラインヨガ」等、自宅で動画を見ながら手軽に自分の出来ることから始めることかでき、時間に束縛されることもありませんから、とても人気のエクセサイズです。誰でも知っている馴染みあるラジオ体操も良いですね。

アスリートがするスクワットでなく、スローペースのスクワットも良いですね!
実は人の筋肉というのは、約70%以上が下半身に集中しています。そのため、カラダの下半身に、特に負荷がかかる運動であるスクワットは、下半身の筋肉を増やして体温を効果的にあげてくれる作用があります。このスクワットはリラックスしながら、朝と晩に5回程度づつだけでも効果があるそうで、無理せず、自分のペースで継続できることから始めたいものですね。それでもなかなか続けられない時には、スポゲルを活用、+αすることで、毎日の運動が続けられない時でも、スポゲルをカラダにすりこみ軽くマッサージをするだけの手軽さで、血行が落ちることなく、また体温も下げることなく、健康維持増進、そして免疫力アップを助けてくれます。

スポゲルを使ったマッサージは、特に、首まわり、手首や足首などが有効です。この部分には動脈がありますから、血液が温まりやすくなります。あとは腰回りです。腸には免疫細胞が集中しているので、おへその下あたりの臍下丹田部分を特に温めることで血管が開き、血行促進に繋がります。

このことから、カラダを温めるポイントは、首がつく箇所である、首回り、手首、足首、おなかまわり。この辺りを重点的に、毎日スポゲルをすりこむ。運動の前後にこうした習慣をつけるだけで低体温を防いで適切な体温の維持が可能となり、免疫力アップに繋がります。

頭では良いことだと理解できていても、なかなか毎日の継続は、実は難しいものです。
もしかすると、人にとって一番難しいこととは、「毎日のコツコツ持続継続」なのかもしれません。
しかも、それを嫌々することが必要であるとか、嫌々しなければならないから、「努力!!!せねば!!」と奮起したところで、これまた、毎日の必死の一所懸命の努力は疲れ果ててしまい、結局、持続継続は一層、難しくなりますね。であれば、やはり、まずは自分にとって、「楽しい♪」と思えること、感じることが出来る適度な運動方法を、まずは見つけることが良いですね!

食生活を整えて、適度な運動を持続する。どちらも日々の習慣なので、食生活も運動も偏ることなく、自分が楽しめること。ここが免疫力アップにはとても大切と言っても過言ではないということになります。楽しい♪と思える運動が見つからない間は、日々の適度な運動である歩く、お散歩するに、プラス、スポゲル生活をお勧めします(^∇^)♪


参考

テルモ体温研究所
https://www.terumo-taion.jp/terumo/report/18.html
【川嶋朗先生】日本人の体温は 0.8℃も下がった!? 現代病「冷え」はこんなにも危険!
https://medicaldoc.jp/column/content201810t0005

Visited 22 times, 1 visit(s) today